研究概要 |
A.Rab8ab DKOマウスの解析:Rab8はシリア形成や疾患に関係する可能性があるため、これらの疾患の所見の有無を調べた。①さまざまな組織(網膜、嗅上皮、気管、胎児線維芽細胞、腎臓)でのシリアの長さや形態の異常を調べたが、特に大きな異常は認められなかった。しかし、胎児繊維芽細胞でさらにRab10をノックダウンするとシリアを持つ細胞数が低下したため、これらの細胞ではRab8a,b,Rab10が重要であることが示唆された。またRab8b KOマウスは単独で異常を示さないものの、Rab8ab DKOマウスはRab8aKOマウスより早期に死亡するため、Rab8a,bの間の機能的重複が考えられた。またDKOマウスではRab8aKOマウス同様、apical markerの分布異常が見られたが、markerによって蓄積する部位が異なることが判明した。このことからapical markerの中にも様々な種類があり、ことなる様式で輸送されていることが予想された。またDKOマウスにおいても神経系での異常は見られなかったため、Rab8a,bが神経細胞の極性形成にかかわる可能性は低いと考えられる。この成果はJournal of Cell Scienceに報告した。 B. apical面への輸送に関わる他の遺伝子のKOマウスの解析 syntaxin3の小腸特異的KOマウスでapical markerの異常などが見られるため、シリアへの膜輸送の異常を解析中である。またSNAP23についても解析を引き続き行っている。
|