公募研究
紡錘体チェックポイント因子BUBR1が先天的に欠損すると、染色体数の不安定性(CIN)を特徴とするPCS症候群を発症する。PCS症候群は、染色体不安定性に起因する高発がん性を特徴とするが、一次シリアの形成不全による多発性腎嚢胞とDandy-Walker奇形も伴っており、シリア病でもあることが明らかとなっている。本研究は、PCS症候群のシリア形成不全のメカニズム解明を目的としている。シリアは細胞表面に1本の毛様に発達する微小管性の突起構造であり、細胞増殖シグナルを受容する。シリアはG0期に形成され、細胞が増殖期に入ると退縮する。最近、分裂期キナーゼPLK1が細胞増殖シグナルに依存した繊毛退縮に必要であることが報告された。しかし、シリア退縮過程でどのようにPLK1活性が繊毛構造に伝わるのかは不明な点が多い。本研究では、PLK1のシリア退縮活性のエフェクター候補分子として、PLK1の基質であり微小管脱重合活性をもつ分裂期キネシンKIF2Aに着目した。これまでの結果から、細胞増殖に共役したシリア退縮過程でKIF2AはPLK1のエフェクター分子として機能することが示唆された。
3: やや遅れている
平成25年8月、当初予定していた標的分子の探索実験で、得られた標的分子にKinesin分子との相互作用が見られなかった。標的分子を全細胞質分画から探索したために非特異的な結合分子が予想以上に多く得られたことが原因と考えられた。
探索実験手法を再検討して、精製した中心体分画から標的分子の探索再実験を行うこととした。
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