テーマ1)近赤外イメージングマウスの樹立 1-i)強化型iRFP全身発現マウスの樹立:25年度に樹立したマウスを、様々な健康状態をモニターしながら長期飼育し、iRFP過剰発現による各種臓器への影響を検証した。その結果特に目立った異常は見られないことがわかり、iRFP発現の健康への影響は小さいことが予想された。これと並行して、骨髄移植モデル実験を実施して、免疫系細胞の非侵襲イメージングを実施し、非侵襲に体内の様々な臓器、組織が可視化できることを見いだした。 1-ii)iRFP floxマウスの樹立:25年度に引き続き、ノックインマウスの樹立を進めた。インシュリン発現細胞のみにcreを発現するIns1-creマウスと交配して、予定通り組換えが起こり膵β細胞のみで近赤外蛍光が見いだされることを確認した。FLK-creとの交配による血管内皮・血球発現も確認した。 1-iii)TetデグラトンiRFPマウスの樹立:25年度に引き続き、Tetデグラトンプローブを近赤外蛍光タンパク質に応用したプローブの開発を進めた。予定を変更し、マウスに応用する前にまず培養細胞でのマルチカラー解析の可能性を探索した。その結果、細胞周期解析に非常に有用であることを見いだした。 テーマ2)TsukubaGreenを応用した2分子間FRET検出技術の確立:TsukubaGreen(TG)ラベルしたHaloTag融合蛋白質と、25年度に選別した赤色蛍光タンパク質にパートナータンパク質を融合させた、2分子間FRETモデルを構築し、TGの蛍光寿命短縮によるFRETの定量的な測定を行った。一部予定を変更し、染色体の修飾状態の解析に応用したところ、蛍光寿命短縮が阻害剤によって消失することが確認され、実際に細胞内現象の検出が可能であることが示された。
|