公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1. シロイヌナズナのapoplastにROSを生成する酵素の局在・活性制御機構・生理機能の解析シロイヌナズナの全10種のRboh/NoxいずれもがEF-hand領域へのCa2+の結合とリン酸化により相乗的に活性化されるROS生成活性を持つことを見出し、一種のCa2+センサーとしてCa2+シグナルをROSシグナルに変換する役割を担うことが示唆された。RbohB~RbohJの9種の発現部位を網羅的に解析し、環境ストレスによる発現変動の解析を進めている。RbohH, RbohJは花粉に局在し、apoplastにROSを生成し、花粉管の先端成長に関与することを見出した(班員の金岡博士らとの共同研究)。活性制御に重要な役割を果たすと想定されるN末端領域と相互作用し、活性を制御するタンパク質として、Ca2+活性化型protein kinase CIPK26と低温ストレス誘導性タンパク質SRC2を同定した。2. ゼニゴケのapoplastにROSを生成する酵素の局在・活性制御機構・生理機能の解析班員の石崎博士らとの共同研究により、ゼニゴケから2種のRboh/Nox遺伝子を同定した。少なくともMpRbohBはCa2+の結合とリン酸化により相乗的に活性化されるROS生成活性を持つこと、双方とも葉状体のメリステム付近で、MpRbohAは仮根でも発現することが明らかとなった。apoplastのROSイメージングを試み、その機能を解析している。
2: おおむね順調に進展している
シロイヌナズナのROS生成酵素の性質や変異体の表現型の解析は順調に進展し、Plant Cell誌に論文を発表した。ゼニゴケの変異体の単離は予想以上に難航しており、遺伝子が生存に必須なため、変異体が原理的に単離できない可能性も予想される。別の手法の開発を進めている。
ROS生成活性を遺伝学的、化学的に変化させ、表現型と細胞壁の変化を調べ、apoplastのROS生成と細胞壁の機能制御との関連を解析する。ROSのin vivoイメージング実験系の開発も進める。ゼニゴケの変異体が原理的に単離できない可能性も想定し、発現抑制株の作成を進める。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (62件) (うち招待講演 17件) 図書 (3件) 備考 (3件)
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