研究領域 | 感染・炎症が加速する発がんスパイラルとその遮断に向けた制がんベクトル変換 |
研究課題/領域番号 |
25114705
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川上 茂 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20322307)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ドラッグデリバリーシステム / ターゲティング / 腫瘍関連マクロファージ / ヘマトポルフィリン / ドキソルビシン / リポソーム / 超音波 |
研究概要 |
本研究の目的は、超音波増感剤封入マンノースリポソームによる発がんスパイラル制御法の開発である。本年度は、超音波増感剤封入マンノース修飾バブルリポソームの調製を試みた。超音波増感剤としてヘマトポルフィリンを用い、脂質組成や溶媒を最適化することで、平均粒子径約 305 nm(PDI 0.613)の超音波増感剤封入マンノース修飾バブルリポソームの調製に成功した。超音波増感剤封入マンノース修飾バブルリポソームは、超音波照射することでバブルリポソームの急速な崩壊する様子が観察された。次に、ヘマトポルフィリン封入バブルリポソームと超音波照射の併用による細胞障害性を評価するため、培養細胞を用いたWST8アッセイを行った。まず、マウス大腸がん由来細胞株colon26懸濁液にヘマトポルフィリン封入バブルリポソームを添加したサンプルをチューブに入れ、脱気した水浴中に入れ超音波照射を1分間行い、経時的に細胞障害性を評価した。その結果、ヘマトポルフィリン封入バブルリポソームに対して、超音波照射を行った群では、超音波照射を行わなかった群と比べ、顕著に高い細胞障害性が測定した全ての時間において示された。さらに、他の抗がん剤としてドキソルビシンを選択し、ドキソルビシン封入バブルリポソームの調製にも成功し、超音波照射によりバブルが崩壊することも確認した。今後は、薬物封入バブルリポソーム製剤を用いて、マンノース修飾バブルリポソームを用いたin vitro評価系を新たに確立するとともに、超音波照射併用による細胞に対する細胞障害メカニズムを解析する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薬物封入バブルリポソーム製剤の調製条件の最適化とin vitroでのDDS機能評価の確立に成功し、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
マンノース修飾バブルリポソームを用いたin vitro評価系を新たに確立するとともに、超音波照射併用による細胞に対する細胞障害メカニズムを解析する。
|