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2013 年度 実績報告書

宿主細胞によるウイルス由来RNA認識の構造生物学的研究

公募研究

研究領域ウイルス感染現象における宿主細胞コンピテンシーの分子基盤
研究課題/領域番号 25115504
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関東京大学

研究代表者

大戸 梅治  東京大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (90451856)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード自然免疫 / ウイルス
研究概要

自然免疫は微生物の感染に対する生体の初期防御反応である。微生物の構成成分はToll-like receptors (TLRs),NOD-like receptors (NLRs),RIG-I-like receptors (RLRs)などの受容体によって認識されることで様々な免疫応答を引き起こす。ウイルスや微生物由来の核酸はTLR7,TLR8,TLR9受容体によって認識され,インターフェロンの産生を促し抗ウイルス反応を引き起こす。故に,抗ウイルス薬やワクチンのターゲットとして注目されており,これらTLR受容体によるリガンド認識の詳細機構の解明が待望されている。本申請課題では,これらウイルス由来の核酸を認識するTLR受容体によるリガンド認識機構やシグナル伝達機構を主にX線結晶構造解析により明らかにする。これは,ウイルスに対する宿主の応答を制御する薬剤の開発に大きく寄与すると考えられる。
本年度は、さらに、ウイルス由来のRNA認識機構を明らかにするために、TLR8とRNA複合体の結晶構造解析を目指した。また、TLR8/モノヌクレオシド(G、A、C、U、dT)複合体の結晶構造解析を行った。さらに、TLR8のZ-loopに変異を入れることにより、Z-loop未設団体を得てその性状解析、構造解析を行った。また、TLR7に関しても結晶化に適したサンプルの調製方法を検討し、高純度の精製標品を得ることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TLR8の構造解析については、モノヌクレオシドとの複合体の構造解析に成功した。これはRNA由来のモノヌクレオシドがTLR8のリガンドとなることを示唆している。また、Z-loop変異体を作成して、TLR8のZ-loop未切断体の性状解析と構造解析に成功した。以上のようにTLR8によるリガンド認識機構について大きく進展が見られた。

今後の研究の推進方策

TLR8については引き続きRNAとの複合体の構造解析を目指す。また、TLR7についても同様に構造解析を目指す。すでにサンプル調製法は確立しているので、結晶化条件を検討する。また、TLR9についても構造解析を目指す。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Structure-Based Design of Novel Human Toll-like Receptor 8 Agonists.2014

    • 著者名/発表者名
      Kokatla, H. P., Sil, D., Tanji, H., Ohto, U., Malladi, S. S., Fox, L. M., Shimizu, T., & David, S. A.
    • 雑誌名

      ChemMedChem.

      巻: 9 ページ: 713-723

    • DOI

      doi: 10.1002/cmdc.201300573.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structure and function of toll-like receptor 8.2014

    • 著者名/発表者名
      Ohto, U., Tanji, H., & Shimizu, T.
    • 雑誌名

      Microbes Infect.

      巻: 16 ページ: 273-282

    • DOI

      doi: 10.1016/j.micinf.2014.01.007.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impaired α-TTP-PIPs Interaction Underlies Familial Vitamin E Deficiency.2013

    • 著者名/発表者名
      Kono, N., Ohto, U., Hiramatsu, T., Urabe, M., Uchida, Y., Satow, Y., and Arai, H.
    • 雑誌名

      Science

      巻: 340 ページ: 1106-1110

    • DOI

      doi: 10.1126/science.1233508

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serum amyloid A3 binds MD-2 to activate p38 and NF-κB pathways in a MyD88-dependent manner.2013

    • 著者名/発表者名
      Deguchi, A., Tomita, T., Omori, T., Komatsu, A., Ohto, U., Takahashi, S., Tanimura, N., Akashi-Takamura, S., Miyake, K., & Maru, Y.
    • 雑誌名

      J. Immunol.

      巻: 191 ページ: 1856-1864

    • DOI

      doi: 10.4049/jimmunol.1201996.

    • 査読あり
  • [学会発表] Structural basis for species-specific endotoxin recognition by TLR4/MD-22013

    • 著者名/発表者名
      U. Ohto, K. Fukase, K. Miyake, and T. Shimizu
    • 学会等名
      ICSG2013-SLS
    • 発表場所
      Sapporo
    • 年月日
      20130729-20130801
  • [学会発表] Crystal structures of human Toll-like receptor 82013

    • 著者名/発表者名
      U. Ohto, H. Tanji, T. Shibata, K. Miyake, and T. Shimizu
    • 学会等名
      4th International Symposium on Diffraction Structural Biology 2013
    • 発表場所
      Nagoya
    • 年月日
      20130526-20130529

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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