公募研究
本研究は、ウイルス感染後期におけるウイルスタンパク質複合体、ウイルスゲノム複合体、宿主細胞および宿主細胞オルガネラの微細構造変化を、種々の顕微鏡を駆使してメソスケール(数十~数百ナノメートルレベル)で解析することで、マイナス鎖RNAウイルスのウイルス増殖機構を明らかにすることを目的としている。エボラウイルスとインフルエンザウイルスをマイナス鎖RNAウイルスのモデルとして用いる。エボラウイルスをモデルとした研究では、ウイルスマトリックスタンパク質VP40が有する多機能性と多量体形成能の関連を明らかにする。前年度は、エボラウイルスのマトリックスタンパク質VP40の分子構造をX線結晶康応解析により明らかにした。また、それらの変異体の分子構造を明らかにし、マトリックスタンパク質が有する多機能性と多量体形成能の関連を明らかにすることで、エボラウイルスのフィラメント状ウイルス粒子形成機構を構造学的に解明した。本年度は、主としてインフルエンザウイルスのゲノムRNA・ウイルスタンパク質複合体(RNP)に関する研究を進めた。インフルエンザウイルスのRNPにはRNApolymeraseが結合し、ゲノムRNAの転写・複製を担う。これまでに、ウイルス粒子から精製したRNPを用いてin vitro transcriptionアッセイ系を確立した。転写におけるRNPの微細構造変化を明らかにするために、本実験系と高速原子間力顕微鏡法を組み合わせ、転写反応中のRNPの可視化を進めている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
J Biol Chem
巻: 289 ページ: 24980-94
10.1074/jbc.M114.559708.