公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成25年度は、歯状回門部にある苔状細胞(mossy cell, MC)樹状突起において、歯状回顆粒細胞(DG)入力の重み情報処理がNMDA受容体を介したメカニズムによりダイナミックに制御されているという仮説を検証することを目的とした。DGの入力重みとMC応答の量的関係を解明するにあたり、細胞内Ca2+濃度計測システムを構築した。その結果、当該新学術領域間の共同研究を推進しながら、以下の4条件をクリアする必要が明らかになった。1 Ca2+感受性蛍光タンパク質R-CAMP1コンストラクトを組込んだAAVベクターの作製、2 ChR2発現トランスジェニックラット海馬におけるR-CAMP1の発現、3 高速共焦点顕微鏡下におけるR-CAMP1蛍光イメージング、4 共焦点イメージングしながらChR2発現ニューロンを多点並列的に光刺激する装置。平成26年度は、これら4条件を最適化する。これと並行して、ChR2発現トランスジェニックラットにおいて、頬ひげ(ウィスカ)毛根部に入力している機械受容ニューロンにChR2が発現していることを見出した。また、ウィスカ毛根部に青色光を短時間照射することにより、大脳皮質一次感覚野(バレル野)の局所回路において、繰り返し生ずるバースト活動を見出した。
2: おおむね順調に進展している
海馬スライスの多数の神経細胞Ca2+動態を高速イメージングしながら、神経細胞を多点並列的に光刺激することは、世界に先駆けた挑戦である。しかし、平成25年度の研究において、解決すべき課題を明らかにし、すでに着手している。また、本新学術領域内共同研究を推進している。
海馬スライスの多数の神経細胞Ca2+動態を高速イメージングしながら、神経細胞を多点並列的に光刺激する方法について、最適化する。このシステムを用いて、光刺激されたDG細胞の数とMC細胞バースト活動の関係の定量解析を行い、NMDA受容体の関与を検証する。この関係は非線形であるが、NMDA受容体をブロックすることにより、線形になると予測している。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 4件) 図書 (2件) 備考 (3件)
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