公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
微小帯域活動の可視化これまでに、分子発現をマーカーとした遺伝子改変マウスを用いて、麻酔下のマウスで、プルキンエ細胞における登上線維応答と微小帯域の関係を単一ニューロンレベルで明らかにすることに成功した。In vivoカルシウムイメージングにより、プルキンエ細胞の自発活動を観察し、プルキンエ細胞活動の同期性とaldolase C発現をマーカーとした帯域構造の間に1細胞レベルで高い相関があることを明らかにしている。さらに、感覚刺激に対する応答においても、プルキンエ細胞の同期性がaldolase C発現の境界と一致していることを見出し、覚醒下では異なる微小帯域同士が同期して活動することを明らかにした。運動課題遂行中の小脳微小帯域活動を観察するための実験装置を開発し、運動と微小帯域活動との関係について、2光子カルシウムイメージングによる解析を行った。シンプルなGo/No-go課題において、トライアルタイプ(Hit, Correct rejection, False alarm)によって、プルキンエ細胞の登上線維応答に違いが見られることが明らかとなり、プルキンエ細胞の集団活動がマウスの運動情報とともに意思決定に関わる情報をコードしている可能性が示唆された。新規カルシウム指示薬の機能評価覚醒下での効率的なイメージングのために、新規カルシウム指示薬(Cal-520)の機能評価を脳スライスおよびin vivoで行った。その結果、Cal-520は従来のOGB-1と比較して、活動電位発生に対するシグナル変化が大きく、減衰時定数も短いことが明らかとなり、極めて有用な指示薬であることを確認した。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載した本年度の研究実施計画について、その目標をほぼ達成しており順調に進行している。
本研究に必要な技術開発(運動課題装置、ウイルスベクターによるカルシウムセンサーの導入、課題実行中のマウスにおけるカルシウムイメージング)はすでに完了し、実験を集中的に行っている。今後、これらの実験をさらに推進していくとともに、オプトジェネティクスを導入して、本研究の目的である、小脳微小回路の生理的意義について明らかにしていく。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
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