公募研究
前・後のシナプス膜上には神経伝達物質の開口放出装置/受容体/トランスポーターやイオンチャネルなどシナプス伝達の最前線の分子群が集積する一方、シナプス膜直下の細胞骨格ないし足場蛋白質もシナプス機能に不可欠である。例えば、興奮性シナプス後膜の脱分極に伴うアクチン重合は樹状突起棘(スパイン)容積を増加させ、シナプス伝達の長期増強(LTP)持続の支持基盤となる。シナプス膜直下の細胞骨格/足場の構成成分であるセプチン(SEPT1-14)は精神・神経疾患に密接に関連する重合性GTP結合蛋白質である。統合失調症に限っても、大規模GWASにおいてSEPT3が責任遺伝子候補とされ(Schizophrenia Working Group, Nature 2014)、死後脳プロテオームの大規模解析でも多数例でSEPT5、SEPT6、SEPT11の過剰蓄積が報告された(PenningtonらMol Psychiatry 2008)。本研究ではスパイン内に局在するSEPT3の欠損が空間認知・弁別機能障害をもたらすことを新たに見出した。原因として、回路レベルでは貫通線維―海馬歯状回顆粒細胞(pp-GC)間グルタミン酸作動性シナプスの伝達障害を、シナプスレベルではSDS処理凍結割断レプリカ免疫標識電子顕微鏡法によってGluA1の欠乏を、連続切片像3D再構築(ssTEM)電子顕微鏡法ではスパイン内小胞体の貧弱化を認めた。引き続き関連データの取得を行い、研究を推進する予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular Brain
巻: 7:62 ページ: 2532
10.1186/s13041-014-0062-1
巻: 6 ページ: 35
10.1016/j.cub.2014.06.024.
http://www.bio.nagoya-u.ac.jp/paper/2014-24/03.html
http://www.bio.nagoya-u.ac.jp/paper/2014-22/04.html