公募研究
ドーパミンは、快情動、人格、注意など主要な精神活動や運動を制御する極めて重要な脳内物質であり、ドーパミンシグナルの変調は精神疾患病態におけるマイクロエンドフェノタイプであると考えられる。ドーパミン欠乏マウスの解析は、ドーパミンシステムの機能解明において画期的な手法であるが、予備検討により、従来の条件ではドーパミンが脳に残存していることが明らかになった。そこで本研究では、真のドーパミン欠乏マウスを用いることで、ドーパミンシグナル変調というマイクロエンドフェノタイプが精神活動に与える真の影響の解明を目指した。平成26年度は以下の成果を得た。ドーパミン欠乏マウスに、ドーパミンの前駆体であるL-DOPAを毎日投与することで長期間飼育し、その後3日間のL-DOPA断薬をすることでドーパミン欠乏マウスを準備し実験に用いた。前年度に、クロザピンがドーパミン欠乏マウスの多動を抑制し、クロザピンの多数の作用点の中でムスカリニックアセチルコリン受容体作動効果が主にドーパミン欠乏マウスの異常を抑制したことから、今年度は、マイクロダイアリシス分析により、線条体におけるアセチルコリンの細胞外濃度を測定した。その結果、ドーパミン欠乏マウスは細胞外アセチルコリン量が有意に低下していることが明らかになった。さらに、ドーパミン欠乏マウスの脳を採取し、免疫組織化学的解析、ウェスタンブロット解析、遺伝子発現解析を行ったところ、アセチルコリン合成酵素であるコリンアセチル転移酵素の遺伝子発現および蛋白質量が有意に低下していることが明らかになった。これらの結果より、ドーパミンが枯渇することによる異常行動にはアセチルコリンシステムが関与していることが分子レベルで明らかとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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