公募研究
1. 脂質メディエーターを産生すると報告されている網膜色素上皮細胞ARPE19を用いて脂質メディエーター検出系の確立を目指した。ARPE19をカルシウムイオノフォアで処理しPLA2を活性化することにより、アラキドン酸やドコサヘキサエン酸が減少するとともに、これらの脂肪酸を前駆体とする数種の脂質メディエーターの産生が増加した。以上の結果から、脂質メディエーター検出系を確立することができたと判断した。2. ペルオキシソーム形成不全を呈するPEX遺伝子ノックアウトマウスの脳を形態学的に観察し、大脳皮質での神経細胞遊走障害に加え、炎症や細胞死などの病態を呈することを見出した。3. ペルオキシソーム形成不全マウスの脳における脂質メディエーターを検討した。その結果、炎症性脂質メディエーターの増加と抗炎症性脂質メディエーターの減少を見出し、これらの脂質メディエーターの動態変化によって炎症を起こしたものと推察した。4. 中程度のプラスマローゲン合成障害を有する肢根型点状軟骨異形成症患者由来細胞を解析し、プラスマローゲン合成酵素ADAPSの機能障害の原因である未報告のアミノ酸置換を明らかにした。さらに、ADAPSの構造的解析と組み合わせることで、点変異によって新たに置換されたアミノ酸のbulkyな側鎖が基質の挿入を妨げることによってプラスマローゲン合成反応が低下・抑制されるものと推察した(Noguchi, M.,(他8名)and *Fujiki, Y. J. Human Genet., 59, 387-392,, 2014)。本成果は、正常量に比して中程度のプラスマローゲン減少でもプラスマローゲン欠損症と同程度の病態を呈することを明らかにしたものであり、プラスマローゲンのホメオスタシスの重要性を示す重要な知見である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 3件)
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