研究領域 | 運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性 |
研究課題/領域番号 |
25117506
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
若林 憲一 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (80420248)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 真核鞭毛・繊毛 / 微小管 / ダイニン / クラミドモナス |
研究概要 |
平成25年度は、真核鞭毛において外腕ダイニンと微小管の結合に介在する外腕ダイニンドッキング複合体(ODA-DC)の性状解析を中心に行った。これまでに試験管内で微小管と協同的に結合することを示していた。本年度はODA-DCが鞭毛内に導入される様子をクラミドモナス生体内で観察した。その結果、鞭毛の根元から先端に向かって徐々に結合することがわかった。これまでに、鞭毛内輸送(IFT)で輸送される鞭毛構成要素は鞭毛先端から根元にむかって徐々に結合することがわかっていたため、意外な結果であった。さらにこれは、ODA-DCが鞭毛と生体内でも協同的に結合すると考えて矛盾のない結果である。この結果を論文にまとめ、現在論文リバイスのための実験が進行している。 さらに、研究目的で記した「ODA-DCの微小管上の結合位置を決定するタンパク質候補p58」の機能解析のため、p58を欠失したクラミドモナスミュータントをスクリーニングし、その候補株を得ることに成功した。現在、表現型を解析している。 並行して、当初計画では平成26年度に行う予定だった外腕-内腕2重欠失株の構造解析を開始した。画像取得は完了し、現在コンピュータを用いた構造解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度中にODA-DCの論文を投稿することを目標としていたが、それを達成することができた。また、p58欠損株については、当初計画ではRNAiノックダウン株をクラミドモナスまたはプラナリアを用いて得る予定でいたが、それよりも確実かつ実験のハンドリングが容易なノックアウト株を得られた可能性が高い。さらに、平成26年度計画を数ヶ月前倒しで開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
p58欠損株の表現型解析を再優先で行う。さらに、p58と相互作用するタンパク質候補をすでに同定しているため、それを欠損した株も同様にして得ることを目標にする。 外腕ー内腕二重欠損株の構造解析については、結果が明らかになり次第、二重変異株特異的になくなる構造を特定し、そのタンパク質を明らかにする。
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