研究領域 | 運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性 |
研究課題/領域番号 |
25117511
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 雅祥 京都大学, 白眉センター, 准教授 (10346075)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2015-03-31
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キーワード | 運動マシナリー / アーキア / 超好熱始原菌 / 分子モーター / 分子機械 / ナノバイオ |
研究概要 |
アーキアは、真核生物(Eucarya)や真正細菌(Bacteria)についで“第3の生物界”を構成しており、真核生物や真正細菌では生存できないような高い温度や圧力といった極限環境を時には好んで生息する特徴がある。研究代表者がこれまで開発してきた高圧力顕微鏡を利用すれば、極限環境下のリアルタイムイメージングが可能となる。平成25年度は、代表的な超好熱始原菌であるThermococcus kodakaraensis の野生株KOD1 に着目し、その運動マシナリーを明らかにする研究に取り組んだ。KOD1株は絶対嫌気性の性質をもつため、グローブボックスを用いた菌体の植えつぎや、至適生育温度である85℃環境での培養・運動観察が行えるように実験環境を整備した。KOD1株を対数増殖期まで生長させ、培地内で遊泳運動を行う様子を顕微鏡で観察した。KOD1株の遊泳速度は、85℃で約80µm s-1であった。KOD1株の運動マシナリーを調べるため、菌体の電子顕微鏡撮影を行ったところ、直径約1マイクロメートル程度の細胞本体の一部分から、長さ数µm程度の極毛が多数生えていることが確認できた。KOD1からflagellinまたは、べん毛モータータンパク質を欠損させた2つの変異株は、どちらも、KOD1株のような極毛はみられず、その代わりに周毛が見られた。これら2つの変異株を光学顕微鏡下で観察したところ、運動能はなかったことから、KOD1株の極毛が運動マシナリーであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Thermococcus kodakaraensisの培養毎に、遊泳運動を行う菌体の割合が大きく異なる。この菌体は絶対嫌気性の性質があるため、培養時のわずかな酸素のコンタミが原因かと思われる。今後、培養環境の改善を通じて、運動マシナリーの研究につとめていく。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り培養環境の整備および、光学顕微鏡の改良を通じて、Thermococcus kodakaraensisの運動マシナリーがどのようなメカニズムで駆動しているのかそのメカニズムを明らかにしていく。
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