公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
AAA型分子シャペロンp97のATP依存的回転運動についての高速原子間力顕微鏡(AFM)解析の結果をまとめ、Structure誌に発表した。D2ドメインの構造変化を解明するため、N末端にHisタグをつけ、マイカ上に固定して観察できる系を構築し、現在解析を行っている。また、Gluスイッチやinterprotomer motion transmission機構の変異体を構築し、現在精製を行っている。26Sプロテアソームの高速AFM観察条件を検討し、クライオ電顕の解像度に迫るイメージを取得する観察条件を見出すことに成功している。現在の観察速度は1フレーム/秒である。さらに条件を検討すれば、さらに高速で高分解能の画像を得ることが可能であると考えられる。また、基質タンパク質の高速AFM観察もできている。こちらは、高速観察に成功しており、不安定なドメインがふらふら動く様子が観察できている。26Sプロテアソームに基質タンパク質が結合して、分解に至る一部始終を高速AFM画像として捉えることが目的なので、ATPγS存在下で、基質-26Sプロテアソーム複合体の観察に挑んでいるが、これまでのところ基質-26Sプロテアソーム複合体の形成頻度は低く、さらに条件を検討する必要がある。水溶液中では基質分解活性を認めているので、高速AFM観察の適切な条件を見つけることができると考える。FtsHの高速AFM観察についてはまだ十分に条件検討ができていない。また、ATP結合や加水分解の変異体の構築・精製を進めている。
2: おおむね順調に進展している
26Sプロテアソームの観察条件が順調に適正化できていることから、全体的に順調に成果が上がっている。次年度は26Sプロテアソームの解析が進むことが期待できる。
26Sプロテアソームの動態観察やp97変異体及び阻害剤を用いた解析等を中心に研究を推進し、課題の目的の達成を図る。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (3件)
Structure
巻: 21 ページ: 1992-2002
10.1016/j.str.2013.08.017. Epub 2013 Sep 19.
http://mukb.medic.kumamoto-u.ac.jp/fukusei/index.html
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