研究領域 | 翻訳後修飾によるシグナル伝達制御の分子基盤と疾患発症におけるその破綻 |
研究課題/領域番号 |
25117715
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 一洋 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80511427)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | FRETイメージング / オプトジェネティクス / ERK |
研究実績の概要 |
ERK活性の多細胞動態による細胞増殖、癌化の制御機構の解明を中心に研究を行った。 (1-A) ERK活性の振動現象と伝搬現象の分子機構の解明:ERK活性の振動を引き起こす分子としてRafを同定した。これは阻害薬によるERK活性の振動の固有振動数が変化したことによる。 ERK活性の細胞間伝搬現象に関しては、液性因子を介しているのか、それとも細胞間の細胞膜を介しているのかを培養液の潅流実験により検討を行ったところ、液性因子ではなく細胞間の伝達であることが分かった。さらに阻害薬による検討から、MMP、EGFRを介していることを明らかにした。 (1-B) ERK活性の構成論的な振動による細胞増殖への影響:ERK活性の振動が細胞増殖に影響を与えるのかを直接検証するために、光刺激によってERK活性を制御する系を樹立し、人工的にERK振動を引き起こしたときに、細胞増殖が亢進するかどうかを検討した。その結果、ERK活性を振動させたときのみ細胞増殖が亢進することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ研究計画書の内容については検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
生体内のERK活性の振動、伝搬現象の意義について検討を行う。さらに、数理モデルを構築し、ERK活性の振動のメカニズムについて数理的な理解を深める。
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