公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
I.種々のポリユビキチン鎖への相互作用検出技術の確立予備実験的には成功していたポリユビキチン鎖に結合するタンパク質を高感度に検出できる技術の最適化を行った。その結合検出方法には、アルファスクリーン法を利用した。その原理は、384穴プレート中で、Flagタグでラベルされたユビキチン鎖(モノUb、ダイUb-Ub、テトラUb-Ub-Ubのいずれか)とビオチン化プロテインアレイタンパク質を反応させて、その後ドナービーズとアクセプタービーズを加えて反応させる。もし、ポリユビキチン鎖との相互作用反応が起これば、抗Flag抗体を介して双方のビーズが近接する。このような状態でドナービーズを励起すると、このエネルギーが近接したアクセプタービーズと反応し蛍光を発する。しかし、相互作用が起こらなければ、双方のビーズが近接できず、蛍光を発することができない。本手法を用いて、既知に報告されているA20タンパク質のZF7ドメインと直鎖状型ポリユビキチン鎖との結合を検出することができた。この事は、高感度にポリユビキチン鎖への相互作用反応が検出できる技術が確立できたことを意味する。II.アルファスクリーン法によるK63および直鎖状ポリユビキチン鎖と相互作用するシグナル伝達関連蛋白質の同定我々の研究室で進めきた手法を用いて、N末端にビオチン化した各種組換えプロテインアレイを構築することができた。最終的には、約400種のプロテインキナーゼ、250種のE3リガーゼおよび50種類の相互作用タンパク質からなるプロテインアレイを作成することに成功した。
2: おおむね順調に進展している
計画どおりに、ポリユビキチン鎖と結合するタンパク質のハイスループットな検出技術の確立、およびプロテインアレイの構築に成功しているため。
本技術を用いて、ポリユビキチン鎖に結合するタンパク質の網羅的な解析を行う。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件) 備考 (1件)
Mol Biol Cell
巻: 24 ページ: 748-756
10.1091/mbc.E11-08-0740
FASEB J.
巻: 27 ページ: 3437-3445
10.1096/fj.12-222653
FEBS Lett.
巻: 587 ページ: 2219-2225
10.1016/j.febslet.2013.05.049
PLoS One.
巻: 8 ページ: e75124
10.1371/journal.pone.0075124
Seikagaku
巻: 85 ページ: 438-446
http://www.pros.ehime-u.ac.jp/cell-free/pg02.html