公募研究
ほとんどの分泌または細胞膜に局在するタンパク質は、糖鎖などによる翻訳後修飾を受けることによって正しく機能することができる。私達は、その翻訳後修飾がどのように制御されているのか、また、どのような生理的役割を果たしているのかについて解析を行っている。本年度は、昨年度に続きGPIによる修飾のメカニズムの解析をおこなった。また、糖鎖の新たな役割についても解析を行った。昨年度、GPIは核近傍の小胞体でタンパク質に付加される可能性が示唆され、それを検証するために、GPIをタンパク質に付加する酵素群Transamidase complexの因子に対する抗体を作製を始めた。本年度は、その酵素が完成したので、極性のある上皮細胞を染色したところ、予想どおり、アピカル側の小胞体には局在せず、核近傍の小胞体に局在していた。この結果より、GPIは核近傍の小胞体でタンパク質に付加されていることがわかった。また、糖鎖の新たな役割として、自然免疫を制御していることがわかった。さらに、その糖鎖修飾が、非感染時と感染時で変化し、その変化が生体防御において非常に重要であることを見出した。この結果は、自然免疫が糖鎖によってダイナミックに制御される初めての例であり、意義深い。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
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Genes Cells
Glycoscience: Biology and Medicine
10.1007/978-4-431-54836-2_48-1