公募研究
ゲノムは核内でクロマチンを形成して収納されており、このクロマチン構造が転写開始、伸長などを含む様々な転写サイクルの制御に関与している。これまでに、クロマチン構造を変換するクロマチンリモデリング複合体が、この転写サイクル制御に関わっていることが示されている。しかし、細胞あたりのクロマチンリモデリング複合体の分子数は、これらの複合体の機能を考えると著しく少ない。このところから、転写サイクルの過程では、クロマチンリモデリング複合体の形成、クロマチン結合・解離、複合体の解消といった、リサイクルが活発に行われていることを示唆している。本研究では、転写サイクルにおけるクロマチンリモデリング複合体のリサイクルとその機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。INO80クロマチンリモデリング複合体の構成因子であるIno80, Arp5, Arp8に注目して解析を行った。まず、大腸菌で発現、精製したArp8を用いた解析を行った。ゲルシフト解析やArp8ノックアウト細胞の解析によって、Arp8が一本鎖DNAに高親和結合することをはじめて明らかにした。また、十川計画研究班員との共同研究により、Ino80, Arp5, Arp8のFRAP解析および一分子解析を行った。その結果、これらのINO80クロマチンリモデリング複合体の構成因子が、それぞれ核内で異なった挙動を示すことが明らかとなった。この結果は、INO80クロマチンリモデリング複合体の構成因子が、転写サイクルの進行に伴って解離・形成を繰り返して機能している可能性を示している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 4件)
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