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2013 年度 実績報告書

新規ヒストン修飾であるヒストンH4K5メチル化の造血分化制御における意義の解明

公募研究

研究領域多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明
研究課題/領域番号 25118707
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関順天堂大学

研究代表者

藤井 智明  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10511420)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードヒストンメチルトランスフェラーゼ / 造血分化制御
研究概要

最近,ヒストンH4K5メチル化修飾が確認され、このメチル化はSMYD3によって付加されることが報告された.SMYD3は、大腸癌、肝臓癌、乳癌でその発現が亢進しており,そしてその発現が癌細胞の生存や増殖に重要な役割を果たしていることが報告されている.また,ゼブラフィッシュを用いた研究ではSmyd3が骨格筋および心臓形成に関与していることが明らかにされている.我々は,骨格筋や心筋と同じ中胚葉由来である血液系に着目し,新規ヒストン修飾であるヒストンH4K5メチル化修飾が血液系に与える影響を検討し、その意義を明らかにしていくことを目的とする.本研究では,Smyd2とSmyd3が互いに機能を補償している可能性があるため、Smyd3-/-マウスだけでなく、Smyd2-/-;Smyd3-/-マウスおよびSmyd2-/-マウスも用いて検討を行った. Smyd2-/-およびSmyd3-/-マウスはCD34-KSL造血幹細胞頻度やコロニー形成能の亢進傾向を示した.しかしながら,Smyd2-/-;Smyd3-/-マウスでは,このような表現型を示さなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,Smyd2-/-,Smyd3-/-およびSmyd2-/-;Smyd3-/-マウス系統を確立した.さらにこれらのマウスを用いて,血液系の表現型に着目し,解析を行うことができた.

今後の研究の推進方策

来年度は,本年度に引き続きSmyd2-/-,Smyd3-/-およびSmyd2-/-;Smyd3-/-マウスを用いて血液系の表現型解析を行っていく.
①末梢血を採取して,血球数の測定およびフローサイトメトリー法を用いてB-220,CD19,CD3,CD4,CD8,CD11b,Gr-1,CD41等の細胞表面マーカーの発現状況を解析し,末梢血中の血液細胞の構成に異常がみられるかどうか調べる. ②骨髄細胞を採取し,細胞数の測定および各種コロニー形成法やフローサイトメトリー法を用いたSca-1,c-kit,CD11b,Gr-1,CD-3,B-220,CD41等の細胞表面マーカーの発現解析により骨髄中の造血幹細胞,前駆細胞をはじめとした造血系細胞の分化状況を調べる.③リンパ球系細胞への分化に異常がある場合は,他のリンパ組織についても細胞表面解析を行い各分化段階のリンパ球系細胞構成を比較する. ④抗がん剤である5-FUあるいは放射線照射を用いて,Smyd2-/-,Smyd3-/-,Smyd2-/-;Smyd3-/-、および野生型のマウスの骨髄組織に損傷を与え,末梢血を経時的に採取して、血球数の測定を行う.末梢血中の血液細胞の構成を比較する.さらに,骨髄細胞を経時的に採取し,細胞数,各種コロニー形成細胞数の算定を行い骨髄組織の再構築能を調べる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Identification of Two Wnt-Responsive Elements in the Intron of RING Finger Protein 43 (RNF43) Gene2014

    • 著者名/発表者名
      Takahashi N, Yamaguchi K, Ikenoue T, Fujii T, Furukawa Y.
    • 雑誌名

      PLos One

      巻: 9(1) ページ: e86582

    • DOI

      10.1371

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Overexpression of Cohesion Establishment Factor DSCC1 through E2F in Colorectal Cancer2014

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi K, Yamaguchi R, Takahashi N, Ikenoue T, Fujii T, Shinozaki M, Tsurita G, Hata K, Niida A, Imoto S, Miyano S, Nakamura Y, Furukawa Y.
    • 雑誌名

      PLos One

      巻: 9(1) ページ: e85750

    • DOI

      10.1371

    • 査読あり
  • [学会発表] オートファジー不全は恒常活性化型Kras変異に起因するマウス膵腫瘍の発生を促進する。2013

    • 著者名/発表者名
      池上恒雄、今井光穂、藤井智明、山口貴世志、松原大祐、伊地知秀明、立石敬介、小池和彦、古川洋一
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィッコ横浜
    • 年月日
      20131003-20131005
  • [学会発表] 乳癌における癌間質内Jagged1‐Notch3 シグナル2013

    • 著者名/発表者名
      藤井智明 堀本義哉 Ahmet Acar伊藤恭彦、齊藤光江、樋野興夫、折茂彰
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィッコ横浜
    • 年月日
      20131003-20131005
  • [学会発表] 患者大腸癌組織片の移植モデルにおける顕著な肝臓および肺への転移形成2013

    • 著者名/発表者名
      水越幸輔、岡澤裕、小見山博光、藤井智明、伊藤恭彦、五藤倫敏、垣生園子、樋野興夫、坂本一博、折茂彰
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィッコ横浜
    • 年月日
      20131003-20131005

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公開日: 2015-05-28  

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