公募研究
研究室ではまず造血幹細胞の活性を支持する2大内的因子であるポリコーム複合体1やHoxb4が供にGemininに対するE3ユビキチンリガーゼとして機能していることを独自に明らかにした。Gemininは細胞の増殖と分化を同時に調節することから、Gemininが造血幹細胞の自己複製と分化の誘導を掛け分ける中核因子として機能していることが推測される。そこで、本研究では造血幹細胞におけるGemininの発現動態を詳細に明らかにすることを目的として、Geminin遺伝子に蛍光タンパク質遺伝子EYFPをノックインし、Geminin-EYFP融合タンパク質が発現するようにしたGeminin-EYFPノックインマウスを作製し、Geminin分子を可視化した。ホモ接合型Geminin-EYFPノックインマウスにおいてEYFPの蛍光強度が充分高く、内在性のGemininの発現をよく反映していることや、発生や妊孕性に特に問題のないことを確かめた。そして、G0/G1期の未分化造血細胞の中で長期骨髄再構築能を有する造血幹細胞においてGemininの発現が高いことを見い出した。一方、FGF4のmembrane translocating motifを組み込んだcell-penetrating Gemininを作製し、Gemininタンパク質を直接細胞内に導入する実験系の構築を行った。これらの研究成果は、造血幹細胞が自己複製する際にGemininの発現がどのように調節され、未分化性が保たれつつ細胞増殖するのかについて理解を深めることと、Gemininの発現量を調節することによって造血幹細胞の活性を操作できる技術の開発に道を開くことが期待される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
PLoS ONE
巻: 10 ページ: e0118840
10.1371/journal.pone.0118840
Mol. Biol. Cell
巻: 25 ページ: 1374-1383
10.1091/mbc.E13-09-0534