研究領域 | 構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解- |
研究課題/領域番号 |
25119504
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中野 珠実 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90589201)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 顔 / 乳児 |
研究概要 |
生後視覚経験のない新生児でも、顔を好んでみる。しかし、この顔の選好は一時的に消失し、生後数ヵ月後に再び現れる。このU字型の顔選好の行動変化の背景にある脳神経機構とその発達的変化を明らかにするために、網膜上のS-coneだけを刺激する視覚刺激を用いて、生後2ヶ月・4ヶ月・6ヶ月で、普通の輝度刺激と、このS-cone刺激で、正立顔の選好現象があらわれるかを調べた。まず、乳児のリクルート体制を構築するため、補助員を一名やとい、100名ほどの乳児をリクルートして、研究に参加してもらうことができた。その結果、4-6ヶ月は輝度刺激も、S-cone刺激も同程度に正立顔を選好した。一方、2ヶ月は、輝度刺激では選好がみられないのに、S-cone刺激では正立顔の選好がみられた。 以上のことから、顔選好のU字変化の底辺においては、皮質機能はすでに発達しはじめているのに、皮質下と大脳皮質の連携が上手く機能していない可能性が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、成人を対象にして、S-cone刺激の開発をする予定であったが、すでに開発が完了し、乳幼児を対象とした研究を行うことが出来、さらに結果もでて、論文としてまとめて投稿している。
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今後の研究の推進方策 |
乳幼児でえらえた知見に基づき、自閉症スペクトラム障害の子供にも同様の行動研究を実施することで、社会性の発達障害の神経機構を明らかにする。 さらに、顔だけでなく、視線方向を検出する機構をいつから機能しだすかを乳幼児を対象とした行動研究で明らかにする。
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