公募研究
翻訳後修飾機構の一つであるSUMO は個体発生プログラムの制御と環境ストレス応答や病原菌の感染応答に関与し植物の安定的な生長を下支えする。しかし、植物細胞ではSUMO がどのようなタンパク質を修飾し機能制御を行っているかはほとんどわかっていない。本研究ではSUMO による生長制御の全容を明らかとするため、ストレス環境下でSUMO 化されるタンパク質を網羅的に単離同定する。環境変動時の生長制御にSUMOがどのように関与しているかを解明することを目標に研究を行った。本年度は、前年度作成したタグ付きSUMO発現形質転換体を用いてSUMO化タンパク質の精製法の検討を行った。高度変性条件下におけるHis-IMACと免疫沈降による二段階精製により、バックグラウンドノイズが少ないSUMO化タンパク質群の精製法を確立した。その後、同法を用いてSUMO化タンパク質を濃縮し、LC/MS/MSによるSUMO化タンパク質の同定を行った。植物サンプルとしては、高度にSUMO化が促進される低温ストレスに曝露したものを用いた。結果として、200超のペプチド断片が同定され、一部には変異を導入したSUMO修飾の痕跡を含むものが検出された。この結果より、in vivoにおけるSUMO化標的タンパク質を得られたものと考えている。さらに、SUMO化の痕跡が検出されたペプチド断片をコードする遺伝子のクローニングを行い、大腸菌を用いたsemi-in vitro SUMO化系によってSUMO化の検証を行った。その結果、少なくとも6種類のタンパク質がSUMO化されうることを確認した。これらのタンパク質は、いずれもSUMO化に関する報告はなく、本研究によってはじめて、SUMO化の可能性を提起したものである。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 1件)
Essays in Biochemistry
巻: in press ページ: in press
Development
巻: 142 ページ: 444-453
10.1242/dev.113167
EMBO Reports
巻: 15 ページ: 1202-1209
10.15252/embr.201438660
Nematology
巻: 16 ページ: 889-893
10.1163/15685411-00002814