公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究が連携する計画研究A01班で構築するバイオミメティクス・データベースは,生物学や材料科学等の異分野のデータベースを,画像データ検索技術により横断的に検索し,クラスタリングして提示することで,専門の異なる研究者に新たな気づきを提供し,異分野連携と産学連携の強力な推進基盤となる.また,ISO においてバイオミメティクスの国際標準化の検討が開始されており,先に述べた画像検索技術を踏まえ,国際標準化に参画することで,我が国の国際競争力強化に貢献できる.以上の背景のもと,本研究では,オープン・イノベーション・プラットフォームの実現に向けて,国際的産業応用可能なバイオミメティクス・データベースの機能についての検討を目的として調査研究を行った.これにより,我が国がバイオミメティクスの産業応用で世界に先んじ,我が国の産業界に資することを目指した.また,本研究を通じて生物学と工学に通じる人材の育成にも寄与した.
2: おおむね順調に進展している
現在まで,順調に研究計画は進行している.(1)バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析.第7期欧州研究開発フレームワークプログラム(FP7)の研究開発プロジェクトを対象に,海外のバイオミメティクス研究機関の実態を調査・分析した.その結果,関連の178プロジェクト178件において,データベース本研究が目標とするデータベース構築を含むものは含まれないことがわかった.さらに,生物資源データベース関連を調査したところ,実施中のもの10件を同定した.また,欧州では英国を中心とした活動があり,一方でドイツは生物資源データベースはほとんどなく,我が国がこのテーマについて強みを発揮できる可能性があることがわかった.(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動.情報収集,ISO/TC266 における標準化活動を推進した.(3)バイオミメティクス・データベースの産業応用に関する調査・分析.企業研究者へのインタビュー結果と研究項目(1)の結果を踏まえて,オープンイノベーション・プラットフォームを実現するために,バイオミメティクス・データベースに必要なデータ,具備すべき機能,機能を実現するための技術,運営方法等を検討した.
現在の研究計画達成度を踏まえて,今後は次のように研究を推進する.(1)バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析.海外のバイオミメティクス研究機関の実態を調査・分析する.当該領域で構築するバイオミメティクス・データベースと他のデータベースとの連携可能性や差別化の方向性を検討する.さらに、当該分野の欧州等における異分野連携や産学連携に向けたネットワーク形成等の動きについて調査を実施する.(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動.当該領域が構築するバイオミメティクス・データベースの国際標準化に向けて,前年に継続して情報収集,バイオミメティクスの国際標準化を検討する技術委員会ISO/TC266における標準化活動を行う.(3)バイオミメティクス・データベースの産業応用に関する調査・分析.平成25 年度に実施した,企業研究者へのインタビュー結果と研究項目(1)の結果を踏まえて,オープンイノベーション・プラットフォームを実現するために,バイオミメティクス・データベースに必要なデータ,具備すべき機能,機能を実現するための技術,運営方法等を提示する.
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IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems
巻: Vol.E97-D, No.3 ページ: 421-430
Lecture Notes in Computer Science
巻: Vol.8199 ページ: 73-84
巻: Vol.8140 ページ: 308-323