研究領域 | 生物多様性を規範とする革新的材料技術 |
研究課題/領域番号 |
25120503
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金森 義明 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10333858)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 構造・機能材料 / マイクロ・ナノデバイス / 応用光学 |
研究概要 |
本研究は、生物の表面微細構造に由来する構造色を模倣し、構造由来による光応答周波数を制御して三原色(RGB)構造色材料の高機能化と集積化の実現を目的とする。本年度は、周辺媒質よりも高い屈折率を持つ誘電体材料を素材とした導波モード共鳴効果に基づく構造色利用カラーフィルタ、薄膜の光干渉を利用した構造色利用カラーフィルタの光学設計および試作を行った。光学設計は、Rigorous Coupled-Wave Analysis (RCWA)法による数値計算を用いて、構造と電磁波の相互作用を厳密に求めた。赤、緑、青の三色の構造色利用カラーフィルタを設計することができた。導波モード共鳴を利用した構造色利用カラーフィルタ試作の結果、赤、緑、青の発色に成功した。各フィルタは構造(周期、寸法、形状)がそれぞれ異なるが、各色フィルタのピクセルを所定ピッチでアレイ配置して一括製作することができた。各フィルタ面積は0.25mm×0.325mmで、微細領域に製作することができた。測定した反射スペクトルの共鳴波長は数値計算結果に近い値を示した。薄膜の光干渉を利用した構造色利用カラーフィルタは、石英基板上に成膜したPMMAを電子線露光によりキャビティを形成し、別基板上に形成した約500nm、600nm厚のPMMA薄膜をキャビティ上に接合することで製作した。試作の結果、赤、緑の発色に成功した。各色のフィルタ面積は0.035mm×0.035mmで、微細領域に製作することができた。測定した反射スペクトルは計算結果と同様の特性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
導波モード共鳴効果や干渉効果を活かしたRGB構造色の光学設計を行うことができた。また光学設計に基づき、試作することに成功した。導波モード共鳴を利用した構造色利用カラーフィルタでは面積0.25mm×0.325mm、光干渉を利用した構造色利用カラーフィルタでは面積0.035mm×0.035mmと微細領域に製作することができた。計測された光学特性は理論値と同様の特性を示した。以上のことから、計画に照らし、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各色の純度や反射効率を向上させるために、製作の繰り返しにより製作精度の向上を行うことでより理論値に近い光学特性の実現を目指す。また、三原色のピクセルアレイを用いたデモンストレーション用のパターンを試作する。
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