公募研究
1.植物光受容蛋白質の構造解析シロイヌナズナphot2のLOV2-linker-Kinase fragment (L2LK) についてX線小角散乱実験を行い、青色光が誘起するLOV2内のアミノ酸残基レベルでの構造変化をlinker領域が増幅伝達してLOV2とKinaseの位置関係に変化が生じると推測した。現在、At phot2全長とAt phot1のL2LKについても同様の実施し、光受容に伴う立体構造変化を推定している。特に、phot1のL2LKについては、linker領域の変異体を作成し、光誘起構造変化への影響を検討し、青色光依存的な酵素分解との対応が取れるモデルを提案した。2.生体粒子のコヒーレントX線回折イメージング実験クライオ試料固定照射装置を用いたSACLAにおける実験の高度化・標準化により、1-10 Hzのレートでシングルショット回折パターンの取得が可能となった。現在、500 nmの小角分解能を実現し、1200 nmを超えるサイズの粒子の電子密度像回復を行っている。これに関連して、装置制御及びデータ処理ソフトウェアを構築し、解析理論の充実を図った。特に、検出器の飽和で小角散乱領域が欠損した回折パターンの像回復法、回復電子密度の確からしさを評価する方法、散乱断面積の小さな生物試料に金属ナノ材料を混在させて信号を増強する方法、画像超空間で位相回復像を分類する方法について理論的な検討行い、ソフトウェアを構築した。短時間に膨大な回折パターンが収集可能なSACLAの優位性を活かし、シゾン葉緑体、酵母核などの生体粒子について、低温CXDI実験を実施した。十分な強度で記録された回折パターンでは30-50 nm程度の分解能で投影電子密度図を再構成できるようになった。さらに、酵母核については間期と分裂期の投影構造を200枚以上取得して、三次元再構成の可能性を検討した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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巻: in press ページ: in press
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