研究実績の概要 |
本研究は、微小管のプラス端からマイナス端方向に小胞膜やタンパク質複合体を輸送するダイニンに積荷分子群との相互作用を仲介するアクセサリータンパク質BICDの活性調節機構と積荷分子認識の分子機構の解明を目的とする。本年度は、BICDのC末端コイルドコイル領域(CC3)のX線結晶解析およびダイニンに連結される小胞膜上に局在する低分子量Gタンパク質Rab6、核膜孔構成蛋白質Ran結合蛋白質2(RanBP2)の積荷分子との相互作用について、変異体を用いた検討をおこなった。また、BICDのCC3がN末端コイルドコイル領域CC1の結合による自己阻害状態の形成機構についても検討した。上記の検討の結果、BICD1 CC3は、2本のαヘリックスによって平行コイルドコイル構造を形成しており、N末端の塩基性領域でRanBP2を認識し、一方で、C末端側の酸性領域でRab6および自身のCC1と相互作用することを明らかにした。本研究成果は、国際科学雑誌に論文発表をおこなった(Terawaki et al., 2014, Acta F; Terawaki et al., 2015, BBRC)。
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