公募研究
シナプス形成機構の構造基盤に基づく厳密な理解と制御機構の解明を目指し、GluRδ2-Cbln1-NRXN複合体の立体構造の解析を試みた。昨年度までにGluRδ2-NTD (N-terminal domain)およびCbln1の立体構造を決定しており、その立体構造の情報を元に部位特異的変異体のシナプス誘導能評価している。本年度はこれらの結果を確認するとともにシナプス誘導能評価に加え、GluRδ2-NTD部位特異的変異体とCbln1の結合能を解析した。その結果、シナプス誘導能が消失している変異体については、同時にCbln1との結合能が消失していることが確認された。特に、GluRδ2のIle11、Leu327、Trp332で構成される疎水性のポケットとそれに隣接するArg330がCbln1と相互作用に関わることが示唆された。さらにCbln1とGluRδ2の相互作用部位を探索するために、蛋白質架橋剤をもちいてCbln1-GluRδ2複合体を架橋し、トリプシン消化後の断片を質量分析装置で解析することで相互作用部位の同定を試みた。2種類の異なった蛋白質架橋剤を用いてCbln1とGluRδ2とが共有結合で架橋された複数のイソペプチドを同定された。Cbln1とNRXN1βについても同様の解析を行い、質量分析によってCbln1とNRXN1βの相互作用部位も同定した。さらにゲルろ過クロマトグラフィー(SEC)-多角度レーザー光散乱(MALS)をもちいた解析により、溶液中ではCbln1が6量体を形成しているこを、GluRδ2-NTDは2量体を形成していることを確認した。これらの情報を元に複合体の結合モデルを構築した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Nature Communications
巻: 6 ページ: 6926
10.1038/ncomms7926