研究領域 | 細胞シグナリング複合体によるシグナル検知・伝達・応答の構造的基礎 |
研究課題/領域番号 |
25121740
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
仙石 徹 独立行政法人理化学研究所, 横山構造生物学研究室, 研究員 (60576312)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | エピジェネティクス / X線結晶構造解析 / 分化 |
研究概要 |
Polycomb Repressive Complex 2 (PRC2)は4種類のサブユニットからなるコアを持つ複合体であり、ヒストンH3K27のメチル化を触媒することにより多細胞生物の分化を制御している。PRC2の機能異常は癌など多くの病気と密接に関与している。本研究はPRC2の立体構造解析を行うことによりその機能や制御機構についての知見を得ることを目的としている。 理化学研究所で独自に開発された哺乳類細胞発現ベクターを用いて、PRC2の4サブユニットをHEK293細胞で共発現させ、アフィニティークロマトグラフィーとゲルろ過クロマトグラフィーを組み合わせることによりPRC2の精製サンプルを得た。得られたサンプルを用いて様々な条件で結晶化スクリーニングを行ったが、現在のところ結晶は得られていない。PRC2が内在的に柔軟な構造をとっており結晶化が妨げられているのではないかと考えている。そこで、付加的なサブユニットを加えることで構造の柔軟性が低下し結晶化し易くなることを期待し、コア以外の因子を含むより大きなPRC2複合体の調製を試みた。5種類のサブユニットを同時にHEK293細胞で発現させると収量が低下することが見出され、付加的サブユニットを単独で発現・精製し、精製済みのPRC2とコアを混ぜることにより再構成を行った。現在、AEBP2を含む5サブユニット複合体の再構成には予備的に成功しており、これについて結晶化スクリーニングを行う予定である。また、他の付加的サブユニットについても精製条件の検討を行っており、再構成を試みる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PRC2コアや5サブユニットを含む複合体の再構成に成功している。
|
今後の研究の推進方策 |
付加的サブユニットを含む複合体の再構成・構造解析を行う。最近、理化学研究所横浜研究所に高性能の電子顕微鏡が導入されたので、これを用いた構造解析も試みる予定である。
|