公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
Flk1陽性中胚葉細胞群は、VEGFシグナルの入力に応じて、血球・血管内皮・心筋その他の中胚葉由来組織への配分がなされ、(中胚葉由来の)各臓器のサイズが決定されるというBody Planの新しいメカニズムを検証する。H25年度では、このモデルを検証するためにVE-cadherin promoter/enhancerを用いてFlt1 cDNAを血管内皮細胞においてのみ発現させ、血管内皮細胞におけるFlt1が心臓発生を制御していることを直接的に検証することを目標としていた。実際、VE-cadherin promoter/enhancer-soluble Flt1 cDNAベクターを構築することを終了した。また、Flt1ヘテロマウス同士を交配し、胚盤胞を回収し、Flt1 KO ES細胞を樹立した。一方、血管内皮細胞を可視化するマウスは、生理的・病的血管新生の研究、神経系研究に極めて有効なモデル動物であることが示されているが、当該年度では、膜結合性のmCherryを発現するFlk1 BACトランスジーンを構築し、受精卵へ導入した。スクリーニングの結果、ラインを樹立することが出来なかったため、現在受精卵へ再導入実験を行っている。血管内皮細胞は均一の細胞集団ではなく、同じ血管中から新生する血管内皮細胞集団中にTip細胞、Stalk細胞などが存在し、役割およびそれを支える分子基盤が大きく異なっていることが示唆されている。Flk1-GFP :: Flt1-tdsRed BACトランスジェニックマウス9.5日胚のFACS解析を行ったところ、CD31陽性の血管内皮細胞の中にも、Flk1・Flt1何れも発現していない画分があることを見出した。また、Flk1のみ、Flt1のみを発現する血管内皮細胞集団が存在することが分かった。
2: おおむね順調に進展している
H25年度では、このモデルを検証するためにVE-cadherin promoter/enhancerを用いてFlt1 cDNAを血管内皮細胞においてのみ発現させ、血管内皮細胞におけるFlt1が心臓発生を制御していることを直接的に検証することを目標としていたが、VE-cadherin promoter/enhancer-soluble Flt1 cDNAベクターを構築することが出来ている。さらに、Flt1 KO ES細胞を樹立できており、この研究項目の進行状況は概ね順調である。膜結合性のmCherryを発現するFlk1 BACトランスジーンを構築し、受精卵へ導入し、スクリーニングの結果、ラインを樹立することが出来なかったため、現在受精卵へ再導入実験を行っている。この研究項目の進行状況は概ね順調である。Flk1-GFP :: Flt1-tdsRed BACトランスジェニックマウス9.5日胚のFACS解析を行ったところ、CD31陽性の血管内皮細胞の中にも、Flk1・Flt1何れも発現していない画分があることを見出しており、概ね順調に進んでいる。
構築したVE-cadherin promoter/enhancer-soluble Flt1 cDNAベクターを、Flt1 KO ES細胞に導入し、100%ES細胞由来の胚(発生段階は8.5日胚)を得て、心臓が小さいという表現型がレスキューされているかどうか評価する。膜結合性のmCherryを発現するFlk1 BACトランスジェニックマウスをPCRによりスクリーニングし、各組織において発現しているラインを選定し、他の班員へ供与することで、班全体の底上げに繋がるようにする。Flk1-GFP :: Flt1-tdsRed BACトランスジェニックマウス9.5日胚からのFlk1陽性、Flt1陽性細胞をソートし、マイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現のヘテロ性と血管機能の相関解析を行う。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
Blood
巻: 122 ページ: 1649-1657
10.1182/blood-2012-12-471102.