公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
循環動態は、交感神経を介した心臓の機能活性化や末梢血管収縮による制御を受けるが、言い換えると「交感神経-効果器(心臓・血管)ワイヤリング」による制御と考えられる。これまでの研究から、NRDcは効果器における交感神経分布を制御し、循環動態を調節するための鍵分子である可能性が示唆されてきた。本研究では、交感神経及び心血管特異的NRDc欠損マウスを作製・解析し、NRDcによる交感神経を介した循環動態の調節機構を明らかにすることを目的とした。心臓・交感神経・血管平滑筋特異的NRDc欠損マウスにおける交感神経分布様式と循環動態を検討し、NRDcによる交感神経-効果器の相互作用の制御機構について検討した。1) 臓器特異的NRDc欠損マウス(NRDc-CKO)の作製と解析:NRDc-floxedマウスと心臓・交感神経・血管平滑筋特異的Creマウスとの交配により、各臓器特異的遺伝子欠損マウス(NRDc-CKO)を作製した。心拍数・血圧と自律神経機能、交感神経系の評価(交感神経節神経細胞の形態学的解析、交感神経終末の各臓器における分布パターン)を行った。NRDc-/-で得られた表現型と比較しながら解析を進めた。2) 交感神経分布パターンを制御する分子メカニズムの解明:交感神経終末の分布に関わる神経栄養因子とその受容体に着目した。同マウスから得られた結果を踏まえ、初代培養交感神経細胞やPC12細胞(ラット由来褐色細胞腫細胞、交感神経)などのin vitroでの検討を行う。
2: おおむね順調に進展している
各種臓器特異的NRDc欠損マウスの作製に成功し、繁殖を続け、計画通り表現型の解析まで順調に行うことができたため。
今後はさらに各種臓器特異的NRDc欠損マウスの表現型解析を進め、全身性NRDc欠損マウスの表現型との相違について、生体内における分子メカニズムという観点から、理解を深めることを目標とする。特に2) 交感神経分布パターンを制御する分子メカニズムの解明について、細胞実験系に立ち戻り解析を行う。
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Nature Communications
巻: 5 ページ: 3224
10.1038/ncomms4224.
http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/sentan-bunshi/