研究領域 | 血管ー神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構 |
研究課題/領域番号 |
25122719
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
北舘 祐 基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 助教 (10455214)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 幹細胞 / 血管 / ニッチ / 精子形成 |
研究概要 |
マウス精巣において、精子の大元となる精子幹細胞は血管近くに偏って存在します。しかし、血管が精子幹細胞を調節しているかは不明なままでした。私たちはこれまで、血管近くの細胞群をレーザーマイクロダイセクションにより採取し、発現遺伝子を探索してきました。さらに、同定された遺伝子の機能解析を通して、精子幹細胞を外因的に制御する微小環境、ニッチに当てはまる細胞を同定しました。この細胞は血管に沿って分布し、幹細胞の数を制御することが示唆されました。同定した細胞は血管と幹細胞のクロストークの中心になると考えられます。今後、同定したニッチ細胞を軸に、血管がどのように精子幹細胞を調節するかを詳細に調べます。 血管は様々な器官の恒常性を調節します。しかし、血管が精子形成の恒常性を制御するかは不明でした。本研究は、精子形成の恒常性を司る精子幹細胞が、ニッチ細胞や血管とどのように相互作用するかを調べます。これにより、血管による恒常性調節機構解明という重要な課題に迫ることができます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
私たちがこれまで同定した細胞は、精巣の中でもとりわけ血管近傍に局在化し、精子幹細胞を制御することが分かってきました。今後、ニッチ細胞に発現する因子を遺伝学的により詳細に解析することで、ニッチ細胞がどのように精子幹細胞を制御するかを検討します。さらに、ニッチ細胞と血管の相互作用を調べ、ニッチ細胞が精子幹細胞や血管をどのように調節するかを調べます。
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今後の研究の推進方策 |
独自に同定したニッチ細胞は、血管と精子幹細胞のクロストークの中心になると考えられます。これを検証するため、ニッチ細胞を減少させたり、異所的に増やしたりしたとき、血管と精子幹細胞の分布や挙動が変わるか調べ、ニッチ細胞が精子幹細胞や血管をどのように調節するか調べます。
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