公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
大脳皮質神経回路の生後発達過程を解析する為、脳梁-皮質神経細胞間の興奮性シナプス伝達に注目し、実験系の確立を試みた。脳スライス作成に適した領域を探索した結果、脳梁膨大後部皮質から冠状断スライスを切り出すと入力線維が保存されやすいことが分かった。脳梁膨大後部皮質の様々な層の神経細胞からパッチクランプ記録を行い、電気生理学的な性質から神経細胞の同定を進めた。同時に、興奮性シナプス伝達を誘発して生後発達過程の解析に適した細胞を探索した結果、皮質V-VI層の錐体細胞が比較的安定してシナプス応答を誘発でき、解析に適していることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
昨年度の解析により、大脳皮質シナプス発達の解析が可能な脳スライス実験系の候補として、脳梁膨大後部皮質が適していることが分かった。また脳梁からの入力線維を調べた予備実験より、特に皮質第V層の錐体細胞の入力線維については生後発達の解析が可能であるという結果を得た。ほぼ実験系としては固まってきており、計画は順調に進行していると思われる。
昨年度までの解析を推し進め、本来の目的である脳梁-大脳皮質線維の生後発達変化について主に電気生理学的な手法を用いて解析を行う。脳梁膨大後部皮質については細胞特性についても不明な点が多い為、皮質神経細胞の電気生理学的な性質の同定も同時に進める。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
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