研究実績の概要 |
(1)ChIP-SEQによる肢芽におけるHox標的遺伝子の同定 E12.5マウス胚肢芽自脚と軛脚領域を用いたHoxa13結合遺伝子を同定するChIP-SEQの結果が、共同研究において得られた。これによりHoxa13が発現する自脚領域に特異的なHoxa13結合ピークが数多く同定された。これらの中には、自脚でHoxa13に依存的に発現が抑制されると推定されるHoxa11のゲノム配列が確認され、ChIP-SEQが成功していることが示された。更に当研究室でKoxa13,Hoxd11-13ダブルKOマウス胚自脚で発現変動することが見いだされているFzd2, Sulf1, Gja3を含むいくつかの遺伝子についても自脚特異的ピークが確認され、これらが直接の標的遺伝子である可能性が示された。自脚パターン形成期であるE11.0でもChIPを行い、E12.5でHoxa13の標的候補として同定された複数の遺伝子について、Q-PCRで濃縮が確認され、現在ChIP-SEQのデータ解析を行っている。軛脚で特異的に発現するHoxa11についても、ChIP-SEQに使用できる抗体の選定を終え、Q-PCRで標的と推定されるFgf10の肢芽間充織エンハンサーの濃縮が確認される段階に到達し、近日中にChIP-SEQの段階に移行する。 (2)Hoxa13発現領域における標的遺伝子機能解析技術の開発 Hoxa-13:CreERT2-IRES venus SV40pAマウスの作成がゲノム解析で完了したことが判明し、次いでこの個体の胚でvenusがHoxa13と同じ発現をする事を確認した。このマウスとCAG loxP CAT loxP LacZマウスを交配して胚でのLacZ発現を解析した。誘導因子タモキシフェンの投与時のみHoxa13発現組織と同じ組織でLacZ発現が確認され、目的マウスの作成が成功したことが判明した。
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