研究領域 | ゲノムアダプテーションのシステム的理解 |
研究課題/領域番号 |
25125704
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石津 大嗣 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40574588)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | piRNA / Piwi / RNAサイレンシング |
研究概要 |
piRNAは,相補的な配列を持つレトロトランスポゾンの発現を負に制御する生殖細胞特異的な機能性小分子RNAである.私たちはpiRNAの生合成経路及びサイレンシング機構に関して,piRNA生合成経路が保存されたショウジョウバエ卵巣体細胞由来培養細胞株(ovarian somatic cell:OSC)を用いて生化学的な解析を進めてきた. 1.核内Piwi複合体構成因子の同定 Piwiに対するモノクローナル抗体を用いた共免疫沈降により,核内Piwi複合体の構成蛋白質としてSpindle-EとMaelstromを同定した. 2.人工piRNAを用いたde novo silencing解析 OSCにおいて、任意の配列を持ったpiRNAを生成することができる発現ベクターを作製し,OSCで発現している内在遺伝子を標的としたpiRNAを人工的に生成することで遺伝子発現が抑制されるかどうかを調べた.本研究では,krimper遺伝子を標的遺伝子のモデルとして解析を行った.遺伝子領域内の翻訳領域と非翻訳領域を標的とする人工piRNAを発現させたが,標的領域によって抑制の効率に違いがあることが分かった.クロマチン免疫沈降法による解析から,krimperの発現はH3K9トリメチル化を伴う転写レベルでの抑制であることが示され,人工piRNAのpiRNA経路によるサイレンシングを任意の標的遺伝子に対して構築できることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
核内Piwi複合体の構成因子としてSpindle-EとMaelstromを同定した.また,OSCにおいて人工piRNAを発現させ,相補的な配列を持つ標的遺伝子の転写レベルでの発現抑制に成功した.人工piRNAによる任意の遺伝子の発現抑制法を確立したことは,本研究の目標であるサイレンシング機構の理解にとって重要な成果であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
核内Piwi複合体の構成因子としてSpindle-EとMaelstromを同定したが,これらのサイレンシングにおける機能は不明である.今後,その他の複合体構成因子の探索を進めるとともに,これらの因子の機能解明を目指す. 本研究で確立した人工piRNAによる標的遺伝子発現抑制システムを用いて,標的遺伝子領域においてどのような過程でヘテロクロマチン形成に至るのか,クロマチン免疫沈降法などの手法により明らかにする.
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