本研究では、アカパンカビの特殊戦略である①重複配列変異導入RIPと②熱による休眠解除システムに着目し、ゲノム変化を許さない分子機構(抗ゲノム変動)と、他の生物が絶滅する熱処理によって引き起こる大規模なゲノム変動が予想される分子機構の解明を目指し、研究を進めてきた。方法として、大規模スクリーニング法を構築・実施し、両者の特殊能力を担う遺伝子群の同定に成功した。現在、ゲノム領域特異的な現象である可能性を見定めるための、確認実験を行っている。これまでに得られた結果から、休眠解除にはストレス応答性MAPキナーゼカスケードなど、RIPはヒストン修飾などが関与することがわかってきた。
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