公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1) レプチン応答性とTRIFシグナルとの関連について:(a) レプチン応答性におけるTRIFシグナルの役割を解析するために、野生型マウス及びTRIF欠損マウスの脳室内にレプチンを投与し、摂餌量及びレプチンシグナルによって活性化されるSTAT3リン酸化を測定し、比較解析した。野生型マウスで認められる摂餌量の減少、STAT3リン酸化がTRIF欠損マウスで減弱していた。すなわち、TRIF欠損マウスでレプチン抵抗性の改善を認めた。(b) パルミチン酸の脳室内投与により、レプチン応答性が阻害されるかどうか、野生型マウスを用いて検討を行った。過去の論文のようなパルミチン酸によるレプチン抵抗性が認められなかったため、今後再度実験を行う。2) 中枢神経系におけるTRIFの発現とその機能の解析について: 野生型マウスより視床下部を採取し、TRIFの発現を市販抗体を用いて、ウェスタンブロット法で解析した。検討に用いた複数の抗TRIF抗体ではTRIFの発現が確認出来なかった。3) 視床下部の炎症病態とTRIFシグナルとの関連について:(a) 野生型マウスの視床下部において、高脂肪食摂餌により、炎症関連遺伝子(TNF-α, MCP-1)の発現が上昇することをリアルタイムPCR法で確認した。(b) 野生型マウスを用いて、パルミチン酸の脳室内投与により、視床下部炎症が誘導されるかどうか検討した。1)-(b)において述べたように、パルミチン酸の脳室内投与によりレプチン抵抗性が認められなかったが、炎症状態についても確認出来なかった。この点についても、今後再度実験を行う。
2: おおむね順調に進展している
・野生型マウスに高脂肪食を摂餌させて認められるレプチン抵抗性が、TRIF欠損マウスで改善していることを確認した。以上から、TRIFが視床下部でのレプチン抵抗性の発症に関与することが示された。・高脂肪食の摂餌により、野生型マウスの視床下部で炎症状態が誘導されることを確認した。・一方、視床下部におけるTRIFの発現解析とパルミチン酸の脳室内投与実験については結果が出ておらず、今後さらに解析を進める必要がある。
1) レプチン応答性とTRIFシグナルとの関連について:(a) 野生型マウス及びTRIF欠損マウスに、パルミチン酸またはTLR3リガンドであるpoly(I:C)を脳室内投与し、レプチン抵抗性が誘導されるかどうか以下の点について比較解析する。①摂餌量を測定し、パルミチン酸またはpoly(I:C)投与により野生型マウスにおいて摂餌量が増加するかどうか、またそれがTRIF依存性かどうかTRIF欠損マウスを用いて解析する。②視床下部におけるSTAT3のリン酸化をウェスタンブロット法で測定し、パルミチン酸またはpoly(I:C)投与により野生型マウスにおいてリン酸化が抑制されるかどうか、またそれがTRIF依存性かどうかTRIF欠損マウスを用いて解析する。(b) TRIFシグナルの上流のTLRであるTLR3の欠損マウスに高脂肪食を摂餌させ、摂餌量及び脂肪蓄積についてTRIF欠損マウスと同様の表現系を示すかどうか検討する。2) 視床下部の炎症病態とTRIFシグナルとの関連について:(a) 野生型マウス及びTRIF欠損マウスに、高脂肪食を摂餌させ、視床下部炎症におけるTRIFシグナルの関与について解析する。各マウスより視床下部を採取し、①炎症性サイトカイン・ケモカイン(TNF-α、MCP-1など)の発現をリアルタイムPCR法で測定する。②炎症の誘導に関わるシグナル伝達分子(JNK、NF-kBなど)の発現をウェスタンブロット法で測定する。(b) 野生型マウス及びTRIF欠損マウスに、パルミチン酸またはpoly(I:C)を脳室内投与し、視床下部炎症におけるTRIFシグナルの関与について解析する。各マウスより視床下部を採取し、①炎症性サイトカイン・ケモカイン(TNF-α、MCP-1など)の発現をリアルタイムPCR法で測定する。②炎症の誘導に関わるシグナル伝達分子(JNK、NF-kBなど)の発現をウェスタンブロット法で測定する。
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