公募研究
脂肪細胞分化に必須の転写因子であるPPARγのBACクローンをライブラリーから入手した。ゲノムと50 bp以上の相同配列を両端に持つマーカー遺伝子断片を作成しBACへのターゲティング断片を作成した。これをBACを保持する大腸菌内へRed/ET recombinase発現ベクターと共にエレクトロポレーションにより導入し、カナマイシン耐性により選択し、BACターゲティングベクターを作成した。得られたBACターゲティングベクターをヒトiPS細胞へエレクトロポレーションにより導入しG418による薬剤選択によりBACターゲティングベクターの染色体挿入が生じたクローンを単離した。ゲノムDNAを採取し、定量的PCRによりゲノムに挿入されたベクターのコピー数を産出し正確にノックインされたiPS細胞クローンを複数樹立した。得られたノックインiPS細胞を通常の胚様体形成法により分化させた。
3: やや遅れている
PPARγノックインiPS細胞の妥当性確認の為既存の脂肪細胞分化系を用いiPS細胞からの分化実験を行ったところ、マーカーであるPPARγの発現が認められないという治験の発見があった。研究遂行上この現象の本質を見極めることは重要であるため、マーカーの再検討を行う必要が生じた。
既報の分化系なども用いて、分化マーカーの発現を蛍光により追跡できることを確認後、分化系の最適化を行っていく予定である。脂肪細胞分化に必須の転写因子としては他にC/EBPα、C/EBPβ等が、またアディポカインとして比較的特異性の高い発現をする遺伝子には、Leptin、Adiponectin等がある。これらのゲノム遺伝子領域を有するBACクローンをBACライブラリーから入手し、PPARγ同様にノックイン細胞を樹立し、脂肪細胞分化系譜を顕かにする予定である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
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