公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
我々はメタボリック症候群の病態に深く関与する遺伝子群を同定するために、内臓脂肪蓄積を来し2型糖尿病・高血圧・脂質異常症を発症するOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty (OLETF) ラットを用いて内臓脂肪特異的な遺伝子群のスクリーニングを施行し新規アディポサイトカインvaspinを同定しその意義について研究している。その過程で膜蛋白質であるACAM (Adipocyte adhesion molecule)とGpnmb/OA (Osteoactivin)を同定した。脂肪細胞の膜蛋白であるACAMおよびGpnmb/OAが、①遺伝子改変動物(ノックアウト(KO)マウスとトランスジェニック(Tg)マウス)により脂肪蓄積に重要な役割を演じていること、②可溶性分泌型細胞外ドメイン蛋白が動物およびヒト患者の血中に存在し、アディポサイトカインとして作用していることを証明し、③これら膜蛋白の細胞内シグナル分子、あるいは可溶性細胞外蛋白の受容体を同定し創薬へと展開するという3点を本研究の目標とする。AP2プロモータを用いたACAM Tgマウスでは通常食、高脂肪高蔗糖食ともに著明に脂肪重量が抑制され体重が減少することが判明した。AP2プロモータを用いたGpnmb Tgマウスでは高脂肪高蔗糖食による脂肪肝が改善し、Gpnmb KOマウスでは高脂肪高蔗糖食による脂肪肝の悪化が認められた。
2: おおむね順調に進展している
ACAMおよびGpnmbそれぞれの遺伝子のKOマウスとTgマウスが順調に作出されている。
今後は可溶性分泌型細胞外ドメイン蛋白が動物およびヒト患者の血中に存在し、アディポサイトカインとして作用していることを証明する。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件)
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