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2013 年度 実績報告書

視床下部で発見した新規遺伝子は脂肪蓄積の負のメディエーターか?

公募研究

研究領域食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明
研究課題/領域番号 25126717
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関広島大学

研究代表者

浮穴 和義  広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (10304370)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード脂肪蓄積 / 神経ペプチド / 視床下部
研究概要

最近、鳥類や哺乳類において脳の視床下部後部に特異的に発現している新規遺伝子を発見した。この視床下部後部は脂肪細胞からのレプチンをダイレクトに受容する部位であり、摂食行動に重要な働きをしていることが知られている。ラットを用いた解析から、絶食、肥満モデル動物、糖尿病モデル動物へのインスリン補給などの条件で新規遺伝子mRNA発現量が変動することを見出している。以上の解析から、新規遺伝子は新しい摂食調節関連遺伝子であると考えている。さらに、新規遺伝子から翻訳されるタンパク質には分泌性ペプチドがコードされていると考えられ、新規神経ペプチドの前駆体遺伝子である可能性が高い。予備的解析から推定神経ペプチドの脳室内投与により、体重増加量の抑制効果があることを見出している。
本研究では、本新規遺伝子が脂肪蓄積の負のメディエーターではないかと予測し、その作用機序を解明することを目的としている。
本年度は、新規神経ペプチドをラットの脳室内へ慢性投与し、脂肪蓄積に着目して解析を行った。その結果、予想に反して脂肪蓄積が増加していた。次に、脂肪酸合成に関して、肝臓、白色脂肪組織、褐色脂肪組織で関連酵素のmRNA発現量をリアルタイムPCR法により解析した。その結果、概ねmRNA発現が増加していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の予想とは全く逆の成果であるが、昨今のメタボリックシンドローム対策等の話題性からも明らかな通り、脂肪蓄積の中枢性制御機構の解明を目指す本研究の価値は高く、大きな成果が得られたと考えている。

今後の研究の推進方策

本年度の成果を踏まえ、さらに発展させていきたい。特に、遺伝子ノックダウンやトランスジェニック動物での解析から、より正確な新規遺伝子の機能解明がなされると考えている。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of a cDNA encoding a novel small secretory protein, neurosecretory protein GL, in the chicken hypothalamic infundibulum2014

    • 著者名/発表者名
      Ukena K, Iwakoshi-Ukena E, Taniuchi S, Bessho Y, Maejima S, Masuda
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun.

      巻: 446 ページ: 298-303

    • DOI

      doi: 10.1016/j.bbrc.2014.02.090.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular evolution and function of 26RFa/QRFP and its cognate receptor2014

    • 著者名/発表者名
      Ukena K, Osugi T, Leprince J, Vaudry V, Tsutsui K.
    • 雑誌名

      J. Mol. Endocrinol.

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of neurotensin and LANT-6 and localization of mRNA encoding their precursor in the chicken brain2014

    • 著者名/発表者名
      Masuda K, Iwakoshi-Ukena E, Bessho Y, Taniuchi S, Maejima S, Shikano K, Kondo K, Furumitsu M, Ukena K.
    • 雑誌名

      Zool. Sci.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      doi: 10.2108/zs140010.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ニワトリにおいて視床下部漏斗部に特異的発現を示す新規遺伝子の同定2013

    • 著者名/発表者名
      岩越栄子、橘 哲也、谷内秀輔、古満芽久美、益田恵子、浮穴和義
    • 雑誌名

      日本家禽学会誌

      巻: 50 ページ: 10-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification, localization and function of a novel neuropeptide, 26RFa, and its cognate receptor, GPR103, in the avian hypothalamus2013

    • 著者名/発表者名
      Ukena K, Tachibana T, Tobari Y, Leprince J, Vaudry H, Tsutsui K.
    • 雑誌名

      Gen. Comp. Endocrinol.

      巻: 190 ページ: 42-46

    • DOI

      doi: 10.1016/j.ygcen.2013.03.014.

    • 査読あり
  • [学会発表] 視床下部で発見した新規神経ペプチド前駆体遺伝子の機能解析

    • 著者名/発表者名
      谷内秀輔、鹿野健史朗、近藤邦裕、前嶋 翔、益田恵子、別所裕紀、古満芽久美、岩越-浮穴栄子、浮穴和義
    • 学会等名
      第28回日本下垂体研究会学術集会
    • 発表場所
      岩手
  • [学会発表] 視床下部で見つけた新規神経ペプチド前駆体遺伝子のラットの成長と脂肪蓄積に対する影響

    • 著者名/発表者名
      谷内秀輔、鹿野健史朗、近藤邦裕、別所裕紀、前嶋 翔、益田恵子、古満芽久美、岩越栄子、浮穴和義
    • 学会等名
      第40回日本神経内分泌学会学術集会
    • 発表場所
      宮崎
  • [学会発表] 新規視床下部ペプチドの前駆体遺伝子の探索と機能解析

    • 著者名/発表者名
      浮穴和義
    • 学会等名
      第17回日本心血管内分泌代謝学会総会 ワークショップ
    • 発表場所
      大阪
    • 招待講演
  • [産業財産権] ポリペプチド、核酸、発現ベクター、形質転換体、成長ホルモン発現抑制剤、非ヒト動物及び非ヒト動物の作製方法2013

    • 発明者名
      浮穴和義、岩越栄子、谷内秀輔、鹿野健史朗、近藤邦裕
    • 権利者名
      浮穴和義、岩越栄子、谷内秀輔、鹿野健史朗、近藤邦裕
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2013-219578
    • 出願年月日
      2013-10-22

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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