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2014 年度 実績報告書

Hippo経路による代謝、肥満、食欲制御

公募研究

研究領域食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明
研究課題/領域番号 25126719
研究機関九州大学

研究代表者

西尾 美希  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (10467897)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード肥満 / Hippo経路
研究実績の概要

Hippo経路はショウジョウバエのモザイク解析によって近年発見された新たなシグナル経路であり、この経路の下流転写因子には細胞増殖に関わるTEADの他に脂肪細胞分化に関与するPPARγが含まれている。さらに代謝、肥満、食欲制御に重要なPI3K経路との密接なクロストークの存在が示されていることからも、Hippo経路の糖・脂質代謝、肥満、食欲制御への関与が考えられる。そこで申請者はHippo経路の糖・脂質代謝、肥満、食欲制御への関与を検討するため、脂肪細胞、膵臓β細胞、骨格筋細胞、間葉系幹細胞、視床下部レプチン反応性ニューロンの組織特異的にHippo経路遺伝子を欠損するマウスをそれぞれ作製・解析を行なった。
Hippo経路のコア分子の1つであるMOB1の脂肪細胞特異的欠損マウスでは、通常食摂取時においては生後25週齢前後から、白色・褐色脂肪組織の両方で軽度の脂肪組織重量増加障害と低体重を認め、組織的には脂肪滴の小型化が観察された。これらの表現型は高脂肪食を与えることで早期から差が顕著となったことから、高脂肪食投与のマウスを用いて、摂食量・行動量・基礎代謝量検討したところ、ともに変化は認めなかった。次にホルモン・サイトカインの変化を検討したところ、組織重量増加障害に伴う耐糖能の改善、インスリン感受性亢進、血中インスリン値の低下を認め、血中レプチン値の低下はあるものの、血中adiponectin値は不変であった。これらから、脂肪特異的MOB1欠損マウスにみられる脂肪組織重量増加障害と低体重はエネルギー消費の亢進やエネルギー摂食量の低下によるものではないことが示唆された。また野生型マウスでは高脂肪食投与による肥満に伴いMOB1の発現亢進とYAPの発現低下が観察された。ここまでのことから、Hippo経路は肥満によって活性化され、肥満を更に増悪させる経路である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Leptin improves fatty liver independently of insulin sensitization and appetite suppression in hepatocytespecific Pten-deficient mice with insulin hypersensitivity2014

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto-Kataoka S, Ebihara K, Aizawa-Abe M, Nishio M, Kusakabe T, Yamamoto Y, Aotani D, Sakai T, Zhao M, Ebihara C, Gumbilai VM, Hosoda K, Suzuki A, Nakao K.
    • 雑誌名

      Horm. Metabolic. Res.

      巻: 47 ページ: 168-175

    • DOI

      10.1055/s-0034-1395531

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hippo経路と腫瘍-Hippo経路変異によるがんモデルマウス-2014

    • 著者名/発表者名
      後藤裕樹、西尾美希、杉町圭史、三森功士、鈴木 聡
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 251 ページ: 428-435

  • [学会発表] Mob1a⁄1b control cell differentiation and cancer suppression in mice.2014

    • 著者名/発表者名
      Akira Suzuki, Miki Nishio, Yoko Toh, Kohei Ohtsubo
    • 学会等名
      The 73rd Annual Meeting of the Japanese Cancer Association ~Symposium~
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-26
  • [図書] INNOVATIVE MEDICINE : Basic Research and Development2015

    • 著者名/発表者名
      Nishio M, Goto H, Suzuki M, Fujimoto A, Mimori K, Suzuki A
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2016-06-01  

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