公募研究
多くの疫学調査により、胎生期や新生児期の栄養環境が成人期に発症する肥満や生活習慣病に関連する可能性が指摘されている。本研究では、マウスの新生仔期にDNAメチル化により遺伝子発現が変動する脂肪代謝関連遺伝子を同定し、成獣期に発症する肥満や脂肪肝との関連を明らかにすることを目指した。本研究成果を、新生児期の栄養学的介入の形で応用することにより、肥満・生活習慣病の新しい予防戦略の手がかりになることが期待される。母獣に核内受容体PPARのリガンドを投与し、DNAメチル化の網羅的解析法であるMIAMI法(Microarray-based Integrated Analysis of Methylation by Isoschizomers)(Oncogene 25: 3059-3064, 2006)により、胎仔期~新生仔期~成獣期のマウスの肝臓および新生仔肝臓初代培養におけるDNAメチル化状態を網羅的に解析した。cDNA発現マイクロアレイ法により、胎仔期~新生仔期~成獣期のマウスの肝臓において発現が変化する遺伝子との比較を行なった。その結果、脂肪酸β酸化関連の遺伝子群がPPARリガンドによるDNAメチル化変化を介して発現制御を受けることが明らかになった。これは、新生仔期のPPARの活性化によりエピジェネティックな遺伝子発現制御を受け、将来的な生活習慣病のなりやすさを規定する可能性を示唆するものである。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Diabetes.
巻: 64 ページ: 775-84
10.2337/db14-0158.
PLoS One.
巻: 9 ページ: e85477
10.1371/journal.pone.0085477.
Cell Metab.
巻: 19 ページ: 246-58
10.1016/j.cmet.2013.12.014.
http://nutrition.life.kpu.ac.jp/