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2013 年度 実績報告書

力学-生化学連成から創発する形態形成ダイナミクスの数理モデリング

公募研究

研究領域ミクロからマクロへ階層を超える秩序形成のロジック
研究課題/領域番号 25127707
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関京都大学

研究代表者

井上 康博  京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (80442929)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード力学-生化学連成 / 形態形成 / 組織立体構造
研究概要

本課題では、形態形成における階層を超えた秩序形成ロジックを理解するために、力学-生化学連成に着目し、形態形成素過程における力学的、生化学的な場の形成素過程と分子・細胞動態との相互作用、そこから創発する組織階層のダイナミックな形状変化との関連について解析する数理モデルの構築を目指している。また、力学の観点から形態形成を捉え直すことにより、純粋に力学的な記述が可能である組織変形と力学-生化学連成が重要である組織変形とを分類・対比し、純粋な力学を超えて力学-生化学連成によってどのような特徴を有する組織変形の動態が可能となるのかを明確に理解することを目指している。
本研究代表者らは、これまでに、形態形成に見られる組織変形を細胞の力学的挙動から解析できる数理モデル(RNRモデル)を構築してきた。本年度は、組織スケールに渡る生化学因子の反応拡散現象を細胞個々が見える空間精度で数理モデル化を行い、力学的な組織変形を細胞レベルから表すRNRモデルと連成した。生化学因子として、細胞増殖因子を対象に、シミュレーションを行い、細胞増殖因子にトリガーされて成長する組織形状の変化を解析した。その結果、生化学因子の発生源(シグナリングセンター)を起点に形成される濃度パターンの2次元空間情報は、細胞増殖による細胞圧縮力として組織内に作用し、結果、組織の面外変形を起こすこと、すなわち、力学-生化学連成により、3次元的な組織立体構造に変換されることを示すことができた。さらに、力学的観点から、組織立体構造の形成過程について、細胞が能動的に発生する力と組織形成との関連について焦点を絞り、検討した。その結果、発生する力の空間パターンが、形成される組織立体構造に極めて重要であることがわかってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画に沿って、細胞レベルの力学-生化学連成について、拡散性生化学因子を対象に、数理モデル化を行った。本数理モデルによるシミュレーションにより、生化学的な2次元場の情報から、力学-生化学連成によって、力学的素過程を経て、3次元的な組織立体構造に変換されることを示す成果を得た。

今後の研究の推進方策

今後は、初年度の力学的観点からの研究により得られた立体構造構築の知見から、力学的ロジックの抽出を行う。また、、力学的な場と生化学的な場が互いに変調する仕組みを明確にするために、シンプルな組織形状を起点としたシミュレーションを行い、力学-生化学連成の役割について検討を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 多細胞の形作りを理解するための力学シミュレーション2014

    • 著者名/発表者名
      奥田覚,井上康博,安達泰治
    • 雑誌名

      生物物理

      巻: 54 ページ: 31-34

    • DOI

      10.2142/biophys.54.031

    • 査読あり
  • [学会発表] 形態形成における力学-生化学連成を考慮した3次元組織変形の数理モデリング・シミュレーション2013

    • 著者名/発表者名
      井上康博,奥田覚,渡辺惟史,安達泰治
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131206
    • 招待講演
  • [備考] 京都大学 教育研究活動データベース

    • URL

      http://kyouindb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/lS2qY

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公開日: 2015-05-28  

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