公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ミヤコグサの花成時期を制御する鍵遺伝子を探索するために、ゲノムワイドに花成時期との関連を解析するGWASを開始した。これは、開花には多数の遺伝子が関与している可能性があるために、特定の候補遺伝子を調べていくよりも、網羅的な解析をするほうが効率的であることに基づく。ミヤコグサの全ゲノム配列は宮古島由来のMG-20で既に決定されており、あとは解析の対象となる個体をリシーケンスすることによってゲノム情報を整えることができる。日本国内の野生系統の全ゲノム配列を次世代シーケンサーで解析した情報と、同一の場所で同時期に生育させたときの第一花が咲き始める所要日数を解析した。これには佐藤修正博士(東北大学・かずさDNA研究所)とProf. Staugard(オーフス大学@デンマーク)のグループが保有するゲノム情報を共有させて頂くことにした。我々は新規で5系統のゲノムデータを追加することにした。この5系統についてはいずれも×20で断片化する際のテクニカルな事情で450bpをターゲットにして100 PEでリシーケンスを行った。現在、Illumina Hiseq2500を用いた1ランが終わり、2ラン目が終了次第にmapping作業に移行する予定である。また、花成時期のデータについては、前述の136野生系統の開花期チェックを進めている(基礎生物学研究所の川口正代司教授のご協力を受けている)。現在、播種から110日以上が経過しているが、東北・北海道の23系統において1個体も開花をしておらず経過観察を続けている。平成26年度には、ゲノム情報と開花所要日数の相関から、花成時期に関するSNPを「総ざらい」するフェノーム解析を行う計画である。また、概日時計遺伝子で花成に影響が大きいE1とFTの月原料を、E1の遺伝子型毎にRT-PCRで確認してきた。今年度中には結果を得られるようにしたい。
2: おおむね順調に進展している
次世代シーケンサーを用いたゲノム解析も順調に進み、開花時期のチェックも滞りなく進めている。最終的なデータが出揃ってフェノーム解析を行わない限り、研究成果が得られない実験系であるので、研究開始1年で論文業績が得られないのが残念である。
佐藤修正博士(東北大学・かずさDNA研究所)、Prof. Staugard(オーフス大学@デンマーク)のグループと5月下旬にミーティングを行う予定である。共同研究体制を構築してフェノーム解析の実際について情報を入手するとともに、データの互換を進めて研究を順当に進めていく計画である。また、いくつかの候補遺伝子については、RT-PCRで発現の強さなどについて検証を進める。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
Journal of Plant Research
巻: in press ページ: in pressにつき未確定
(undetermined due to in press status)