• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

菌根共生との共進化による植物の菌従属栄養性獲得に関する遺伝子基盤の解明

公募研究

研究領域複合適応形質進化の遺伝子基盤解明
研究課題/領域番号 25128710
研究機関鳥取大学

研究代表者

上中 弘典  鳥取大学, 農学部, 准教授 (40397849)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード菌根共生 / 菌従属栄養性 / 無葉緑植物 / 次世代シーケンサー / トランスクリプトーム解析 / ラン / ツツジ / 寄生
研究実績の概要

陸上植物の多くは地下組織において菌根菌と相利共生を営む能力を進化の初期段階で獲得した。一方、一部の植物は菌根共生との共進化により菌類との関係を共生から寄生へと転換してきた。この様な菌従属栄養性を獲得した植物は、菌根菌からの炭素化合物に完全に依存する無葉緑植物へと更に進化する。本研究では、菌従属栄養植物を含む分類群の植物種を中心に新規にゲノムレベルでの解析を行うことで、これまで全く情報が無い菌従属栄養性とその獲得、及び無葉緑化を制御する遺伝子基盤の解明を目的とした。
A) 野生植物種の菌従属栄養性の獲得と無葉緑化に関わる遺伝子の同定:
ツツジ科の独立栄養植物ドウダンツツジと菌従属栄養性の無葉緑植物ギンリョウソウの比較トランスクリプトーム解析を行うことで、無葉緑化に関わる遺伝子の同定を試みた。その結果、ギンリョウソウでは色素体のほとんどの機能を失っており、色素体とペルオキシソームの両方を必要とする光呼吸系なども機能していないと考えられた。また、ギンリョウソウにおいてクロロフィル合成系の遺伝子の1つに機能欠失に関わると考えられる非同義置換を発見した。一方、野生ランであるハマカキランの通常個体とアルビノ個体についてもRNA-seqを行い、アルビノ個体で特異的に発現する遺伝子群を同定した。
B) ラン科植物の菌従属栄養性に関わる遺伝子の同定:
プロトコームにおける共生状態を、ラン科植物に特徴的な共生器官である菌糸コイルの形状を指標に定量化する実験系を新たに構築した。本定量実験系を用いて解析した結果、菌糸コイルの分解は発芽後成長に貢献しておらず、共生している状態であると考えられる健全な菌糸コイルの形成が発芽後成長に重要である事がわかった。人工発芽系を用いて得られた成果とトランスクリプトーム解析の結果を総合し、考察することで、未知のラン科植物における菌根共生系の全体像を今後明らかにしていく。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] ツツジ科植物の比較トランスクリプトーム解析による非光合成植物における無葉緑性の進化の解明2015

    • 著者名/発表者名
      上中弘典、山口勝司、井田喜子、三柴啓一郎、岩瀬剛二、西村幹夫、重信秀治、真野昌二
    • 学会等名
      第56回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2015-03-15 – 2015-03-18
  • [学会発表] ラン科植物シランの菌根共生実験系構築とトランスクリプトーム解析2014

    • 著者名/発表者名
      山本樹稀、大和政秀、長田翔太郎、山口勝司、浅尾久代、松本美和子、大谷ユリア、谷亀高広、重信秀治、上中弘典
    • 学会等名
      菌根研究会2014年度大会
    • 発表場所
      東京大学柏キャンパス
    • 年月日
      2014-11-29 – 2014-11-29
  • [学会発表] ラン科植物シランの菌根共生特異的に発現する遺伝子群の網羅的同定2014

    • 著者名/発表者名
      大谷ユリア、長田翔太郎、大和政秀、山口勝司、山本樹稀、浅尾久代、松本美和子、谷亀高広、重信秀治、上中弘典
    • 学会等名
      第24回植物微生物研究会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-21
  • [学会発表] 菌寄生性菌根共生システムの解明を目指したラン科植物シランのトランスクリプトーム解析2014

    • 著者名/発表者名
      長田翔太郎、大和政秀、山口勝司、浅尾久代、松本美和子、谷亀高広、重信秀治、上中弘典
    • 学会等名
      日本植物学会第78回大会
    • 発表場所
      明治大学生田キャンパス
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] ツツジ科の菌従属栄養性無葉緑植物ギンリョウソウのトランスクリプトーム解析2014

    • 著者名/発表者名
      井田喜子、山口勝司、真野昌二、藤田みや子、若月幸子、岩瀬剛二、西村幹夫、重信秀治、上中弘典
    • 学会等名
      日本植物学会第78回大会
    • 発表場所
      明治大学生田キャンパス
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi