公募研究
昨年度発表したネムリユスリカのドラフトゲノム(研究室で飼育しているナイジェリアsib-cross系統)に加えて、ネムリユスリカ4個体群のゲノム情報が利用できるようになった。それらの個体群の分化の進化プロセスを調べるために28S rRNA配列に基づいたPolypedilum属のML系統樹を作成した。その結果、ナイジェリア産の個体群とマラウイ産の個体群がそれぞれ別のクレードにはっきりと分かれた。更に、28Sに加えて、18S rRNA、ミトコンドリアのCOI、そして核タンパク質のCAD遺伝子の配列に基づいたML系統解析を行い、その結果をユスリカの化石情報で補正された系統樹(Cranston et al. 2011)に合わせて、分岐年代を推定した。その結果、ナイジェリア産のAnguantuta個体群と研究室系統のゲノム系統が約130万年前に分化したのに対し、マラウイ産のMandala 個体群とZomba個体群は約370万年前に分化したと推定された。一方、ナイジェリアとマラウイの個体群は2900万年前に分化したと推定され、その距離は別種と同じくらい離れていた。したがって、ネムリユスリカの極限乾燥耐性はおそらく2900万年前に獲得されたと思われる。共通祖先のARIdは2900万年の間にナイジェリアとマラウイの個体群でそれぞれ進化し続けて、重複した遺伝子クラスターの異なる組み合わせが生じたと示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Planta
巻: - ページ: -
10.1007/s00425-015-2284-6
現代化学
巻: 529 ページ: 48-52
Nature Communications
巻: 5 ページ: 4784
10.1038/ncomms5784
細胞工学
巻: 33 ページ: 986-991
http://www.nias.affrc.go.jp/press/2014/20140912/