公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
昨年度までに単離した新規パーキンソン病原因遺伝子について日本人孤発性パーキンソン病集団における変異の頻度をあきらかにするため、孤発性パーキンソン病517例および健常対照者559人についてサンガー法でシークエンス解析を行った。その結果、病因と予想される変異は見出されなかったが、本遺伝子領域内に存在する3種のSNPsがパーキンソン病患者群-健常対象群間で統計学的有意な頻度差があることを見出した。3種のSNPsのうちc.-9T>Gはオッズ比2.22 (95%CI;1.35-3.66), P=0.0013だった。以上の結果から本遺伝子は家族性パーキンソン病の原因遺伝子であると同時に孤発性パーキンソン病の発症感受性遺伝子である可能性が高い事が明らかとなった。新規パーキンソン病原因遺伝子の病態生理を明らかにするため、機能解析を実施した。まず細胞内局在を検討するためSK-N-SH細胞をもちいて細胞内タンパク質を核、細胞質、およびミトコンドリアに分画し、ウエスタンブロットを実施した。更にHeLa細胞に3xFLAGタグを融合した人工遺伝子をトランスフェクションし免疫電子顕微鏡法で細胞内局在を検討した。その結果、本遺伝子産物はミトコンドリアに局在していることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
単離した原因遺伝子のゲノム解析および病態生理解析共に一定の成果を上げることが出来た。
患者から同定された変異が野生型と比べ細胞内でどのような変化が起きているかを明らかにし、論文として発表する予定である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)
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