研究領域 | ゲノム複製・修復・転写のカップリングと普遍的なクロマチン構造変換機構 |
研究課題/領域番号 |
25131708
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 慎一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70548528)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2015-03-31
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キーワード | ユビキチン / DNA修復経路 / 53BP1 / OTUB2 / メチル化ヒストン |
研究概要 |
DNA2本鎖損傷応答では、染色体上に普遍的に存在するメチル化ヒストンH4がDNA損傷部位限定的にシグナル伝達に利用されている。通常時、メチル化ヒストンH4にはポリコーム分子L3MBTL1などが結合しており、細胞応答は起こらない。DNA2本鎖損傷が発生すると、DNA損傷部位局所においてL3MBTL1がユビキチン化を受け、クロマチン上から取り除かれる。そして、メチル化ヒストンH4にDNA損傷応答分子53BP1が新たに結合し、応答シグナルを伝達する。 平成25年度に行った研究では、DNA2本鎖損傷部位ではL3MBTL1がRNF8により細胞内でマルチユビキチン化されていることを示した。また、脱ユビキチン化酵素OTUB2はRNF8によるL3MBTL1のユビキチン化を脱ユビキチン化により抑制的に制御していることも明らかにした。OTUB2をノックダウンした細胞では、DNA2本鎖損傷部位におけるユビキチン化が急速に進む結果、メチル化ヒストンH4が急速にDNA2本鎖損傷応答シグナルに変換され、53BP1のDNA損傷部位への局在も急激に進むことが示された。53BP1はDNA2本鎖損傷修復経路のうち、非相同末端結合を促進することが知られているが、OTUB2ノックダウン細胞でも非相同末端結合が優先的に選択されることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
E3ユビキチンリガーゼRNF8と脱ユビキチン化酵素OTUB2の相反するユビキチン化活性によりL3MBTL1のユビキチン化が精密に制御され、適切なレベルでメチル化ヒストンH4がDNA損傷応答に変換されるという分子機構を明らかにできた。これは、当初の2年計画の目標の70%以上を達成した。また、研究成果を研究分野におけるtop journalにおいて論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
OTUB2によるRNF8依存性の活性がどのような分子機構により抑制的に制御されているのかを明らかにしていく。特に細胞周期の違いに着目して解析を行う。 1)OTUB2はDNA損傷部位へと局在するが、この局在はどの様にして制御されているのかを明らかにする 2)細胞周期ごとに細胞を分収して、それぞれの細胞群からOTUB2を精製した後に、OTUB2の脱ユビキチン活性を測定し、OTUB2の脱ユビキチン活性が細胞周期に依存的な制御をうけているか、実験的に検証する
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