公募研究
申請者らは、マウス胎齢13日(E13)のXX卵巣を父性環境下に移植した場合、E12.5 XY,XX支持細胞での各々約1/4の精巣,卵巣特異的遺伝子の発現が逆転し、卵巣においてSOX9陽性のセルトリ様細胞が出現し、部分的な性転換が起こることが判明している。この性転換の分子基盤の解明のための最終年度においては、その性転換の鍵となる転写因子群を移植卵巣の各ステージでの網羅的なreal time PCRによる発現解析を行った。その結果, i) 10日目までに一過性に上昇し、15日目には減少するタイプI、ii) 移植15日目から発現が上昇するタイプII、iv) 18日目以降で発現が上昇するタイプIII、v)移植5日から20日を通して徐々に発現上昇するタイプIVに分類分けを行い、この全ての転写因子に関しては、網羅的なqPCRによる解析を終了した。また、最終年度には、この雄性化したセルトリ様細胞の機能評価のため、AMH-TRECKマウスを樹立し、個体にDTを投与によりセルトリ細胞のみを特異的に除去できる実験系を作出した。さらに、このAMH-TRECKマウスにDT処理後4日目の精巣に、別個体の健康な セルトリ細胞を移植することにより、1)移植セルトリ細胞は精細管に定着し,宿主の精細胞を支持すること、2)移植後一ヶ月半までには、移植セルトリ細胞は伸長型精子細胞を含む精子形成をサポートし、精子形成の部分的な回復が認められることを見出した。これにより、セルトリ細胞を高効率に移植、置換することが可能となり、今後,性分化異常症のセルトリ様細胞の機能的な評価法を確立した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Reproduction
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http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/kaibo/seibunnka.html