研究領域 | 性差構築の分子基盤 |
研究課題/領域番号 |
25132706
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今村 拓也 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90390682)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アンドロジェン / 脳性分化 / ノンコーディングRNA / エピジェネティック制御 / 腹内側核 |
研究概要 |
本課題は、マウスアンドロジェン受容体(AR)発現の性差形成に焦点を絞り、[1]ノンコーディングRNA(ncRNA)発現/DNAメチル化情報を指標とした腹内側核細胞群の細胞動態解析、[2]アンドロジェンとncRNAによる細胞と細胞間連絡の可塑性の人為改変、を行っていくものである。 本年度は、アンドロジェンによる脳の性分化が起きる時期であるマウス周生期腹内側核細胞群からの一細胞レベルでの解析系のセットアップに注力した。マウス胎児大脳の場合に、成長因子である線維芽細胞増殖因子FGFと上皮成長因子EGFを用いた神経幹細胞の単離・増殖法が良く研究されていたことから、この系を応用した。諸条件の検討の結果、上記2つに加えて血小板由来成長因子PDGFを用いることにより、腹内側核神経幹細胞/前駆細胞の効率的増殖を促すことができることが明らかになった。また、更なる効率的増殖を促すためには、分散培養よりも、ニューロスフィア法が有効であることも分かった。次に、数十の株をクローン化し、性ステロイド受容体遺伝子群を中心に発現解析を行った。なかでも、ARプロモーターから発現するプロモーターncRNA(pancRNA)とAR遺伝子発現が確かに良く相関しており、腹内側核におけるアンドロジェンによる性差構築を規定する細胞の同定に向けた系が確立しつつある。現在、培養液への各種性ステロイドホルモンの添加による腹内側核神経幹細胞/前駆細胞のトランスクリプトームとエピゲノム変化を追跡していることである。周生期腹内側核細胞の性差は分界条床核等の他神経核からの入力を受けており、これらの細胞の培養系のセットアップも十分に進め、次年度に準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題の項目は、[1]ノンコーディングRNA(ncRNA)発現/DNAメチル化情報を指標とした腹内側核細胞群の細胞動態解析、[2]アンドロジェンとncRNAによる細胞と細胞間連絡の可塑性の人為改変、からなるが、項目[1]を順調に終了しつつあるところである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、[2]アンドロジェンとncRNAによる細胞と細胞間連絡の可塑性の人為改変、に注力していくことで、課題目標を達成していく。
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